概略
国籍 | ![]() |
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生年月日 | 1991年1月7日(29歳) | ||
出身地 | ラ・ルヴィエール | ||
身長 | 175cm | ||
体重 | 74kg |
ポジションはフォワード(左ウイング)。
利き足は右。
ベルギー産のスーパースター。
ベルギー出身であるが、2007年にフランスのLOSCリール・メトロポールにてプロデビューし、リーグ・アン年間最優秀選手賞にも選ばれた。
その後、2012年より7シーズンに亘りチェルシーFCでプレー、PFA年間最優秀選手賞やUEFAヨーロッパリーグ最優秀選手賞などを受賞した。
2019年には最大1億2000万ユーロの移籍金でレアル・マドリードに移籍した。
2008年からはベルギー代表にも選ばれ、UEFA EURO 2016からは主将も務めた。
また、2019年にはベルギー代表100試合出場も果たした。
代表ではロメル・ルカクに次いで歴代2位となる32得点を記録している。
獲得タイトル
クラブ
- LOSCリール・メトロポール
- リーグ・アン:1回 (2010-11)
- クープ・ドゥ・フランス:1回 (2010-11)
- チェルシーFC
- プレミアリーグ:2回 (2014-15, 2016-17)
- フットボールリーグカップ:1回 (2014-15)
- UEFAヨーロッパリーグ:2回 (2012-13, 2018-19)
- FAカップ:1回 (2017-18)
個人
- リーグ・アン年間最優秀若手選手賞:2回 (2008-09, 2009-10)
- リーグ・アンベストイレブン:2回 (2009-10, 2010-11)
- リーグ・アン年間最優秀選手賞:2回 (2010-11, 2011-12)
- ブラヴォー賞:1回 (2011)
- PFA年間ベストイレブン:4回 (2012-13, 2013-14, 2014-15, 2016-17)
- PFA年間最優秀若手選手賞:1回 (2013-14)
- チェルシー年間最優秀選手賞:4回 (2013-14, 2014-15, 2016-17, 2018-19)
- PFA年間最優秀選手賞:1回 (2014-15)
- FWA年間最優秀選手賞:1回 (2014-15)
- プレミアリーグ最優秀選手賞:1回 (2014-15)
- UEFAチーム・オブ・ザ・イヤー:2回(2017, 2018)
- FIFAワールドカップ・ベストイレブン:1回(2017)
- FIFA/FIFProワールドイレブン:1回(2018)
- プレミアリーグ月間最優秀選手:2回 (2016年 10月・2018年 9月)
- UEFAヨーロッパリーグ最優秀選手賞:1回 (2018-19)
- プレミアリーグ・プレイメイカー・アワード(アシスト王):1回(2018-19,15アシスト)
経歴
クラブ
4歳でロイヤル・スタッド・ブレーヌというクラブに加入。
12歳でAFCテュビズに移籍した後、2005年に14歳でベルギーを離れフランスのLOSCリール・メトロポールの下部組織に移る。
2007年11月25日のASナンシー戦でリーグ・アンデビューすると、2008年9月20日のAJオセール戦で初得点を記録した。
2008-09シーズンはベルギー人として初めてリーグ・アンの最優秀若手選手賞を受賞した。
2009-10シーズンも続けて最優秀若手選手賞を受賞し、史上初の2度の受賞となった。
当時レアル・マドリードの幹部を務めていたジネディーヌ・ジダンは「アザールは未来のクラック。優れた選手で、さらに良くなっていくはずだ。目をつむってでも、マドリーに連れていきたいね」と絶賛した。
2010-11シーズンは開幕当初は調子が上がらず2ヶ月間スタメンから外れ、ベルギー代表のジョルジュ・レーケンス監督から公然と批判された。
しかし、最終的には自身最多となる8得点を記録。
リールの2冠に貢献し、リーグMVPに選出された。
2011-12シーズンからは背番号10を背負い、リーグ戦38試合20得点18アシストで、リーグ3位の得点・リーグ首位のアシストを記録した。
2年連続でリーグMVPに選出された。
また、2011年にはヨーロッパでプレーする最優秀若手サッカー選手に贈られるブラヴォー賞にも選ばれた。
2012年6月4日、マンチェスター・ユナイテッドや、マンチェスター・シティ、トッテナム・ホットスパーといったイングランド・プレミアリーグの様々なビッグクラブへの移籍が噂される中、アザールはSNSで「欧州チャンピオンズリーグ王者と契約する」と明かし、ユースの頃からスカウト陣が追い続けていたとされるチェルシーFCへの入団が決定した。
移籍金は3200万ポンド (約39億円) で5年契約。
2012年8月19日に開幕戦となったウィガン・アスレティックFC戦でリーグデビューすると、当たりの激しいプレミアリーグにもすぐに適応する順応さをみせ、開幕から3試合連続でマン・オブ・ザ・マッチに選出された。
チェルシーでの初タイトルとなるUEFAヨーロッパリーグ決勝は怪我のため出場できなかったが、2013年はプレミアリーグ一年目ながらPFA年間ベストイレブンに選出される活躍を見せた。
2013-14シーズンはクラブとしては2007-08シーズンぶりの無冠となったが、2014年は個人として2年連続となるPFA年間ベストイレブンと共にPFA年間最優秀若手選手賞も獲得した。
2014-15シーズンからはフアン・マタの移籍により背番号を10番に変更している。
この年も開幕戦から中盤のレギュラーとして活躍をみせ、リーグ戦37試合に出場し14得点8アシストを記録。
クラブの5年ぶりのリーグ優勝に貢献しバークレイズプレミアリーグ年間最優秀選手賞、PFA年間最優秀選手賞、FWA年間最優秀選手賞と3冠の個人賞を獲得しタイトルを総なめにした。
2015-16シーズンは開幕から長らく得点から遠ざかっていたが、1月31日のMKドンズ戦で自身がファールを受けて得たPKを決め、初得点を記録した。
2015-16シーズンは最終的に僅か4ゴールに止まり、プレミアリーグでも1995-96シーズン以来となる二桁順位に終わった。
2016年8月15日に行われた2016-17シーズンのリーグ開幕戦ウェストハム・ユナイテッドFC戦や8月27日のバーンリーFC戦でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれ、同月のプレミアリーグ月間最優秀選手ではTwitterでの調査で41%の票を集めたが、同選手にはラヒーム・スターリングが選ばれた。
2017年2月3日、アーセナルFC戦ではカウンターから1人でゴールを決めて話題となった。
2016-17シーズンは16ゴールを決め、チェルシー在籍5年で4度目となるPFAベストイレブンに選出されたほか、UEFAチーム・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた。
2018年9月16日、第5節のカーディフ・シティFC戦ではハットトリックを決めて開幕5連勝に貢献した。
UEFAヨーロッパリーグでは決勝のアーセナル戦で2ゴール1アシストと4-1での勝利をもたらし、マン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。
また、同大会の最優秀選手にも選出された。
結局2018-19シーズンはリーグ戦で16ゴール15アシストを挙げ、歴代最多4度目となるチェルシーのクラブ年間最優秀選手賞を受賞した。
16ゴールはチーム最多、15アシストはチームはおろかリーグ最多でプレミアリーグプレイメイカー賞にも輝いた。また欧州5大リーグのドリブル突破回数においてソフィアン・ブファル(144回)、アラン・サン=マクシマン(143回)に次ぐ138回を記録し、ドリブル突破成功率は61.61%で欧州5大リーグトップに君臨した。
2019年6月7日、レアル・マドリードへの移籍が発表された。
契約期間は5年となり、移籍金は公表されていないがスペイン紙マルカからは1億ユーロと2000万ユーロのボーナスと報道された。
練習中に太ももを負傷したため開幕戦には間に合わず、リーガ第4節のレバンテUD戦で後半途中から出場しデビューを果たした。
10月5日、第8節のグラナダCF戦で移籍後初ゴールを決めた。
11月末にチャンピオンズリーグのパリ・サンジェルマンFC戦で代表チームの同胞のトーマス・ムニエによる不用意なタックルにより足首骨折の怪我を負い、4~6週間の離脱を余儀なくされた。
2月16日の第24節セルタ戦で復帰するも、続く第25節のレバンテ戦で右腓骨に亀裂骨折を負い、再び離脱することとなった。
手術は成功したものの2019-20シーズンの復帰は絶望的と言われていたが、新型コロナウイルスの流行でリーグが一時中断したことにより、リーグが再開した6月14日のSDエイバル戦で復帰を果たし、ゴールこそ無かったもののセルヒオ・ラモスのゴールをアシストするなど、チームの全ての得点に絡む圧倒的な存在感を見せた。
代表
代表では2008年11月19日のルクセンブルクとの親善試合でヴェスレイ・ソンクと交代で出場し、ベルギー代表として初出場。
2011年10月7日のUEFA EURO 2012予選のカザフスタン戦で代表初得点を挙げた。
UEFA EURO 2016グループステージ第3戦のスウェーデン戦ではマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。
決勝トーナメント1回戦のハンガリー戦でも1ゴール1アシストを記録しマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。
2018 FIFAワールドカップではグループリーグのチュニジア戦で2ゴール、3位決定戦のイングランド戦でもダメ押しのゴールを決め、ベルギーのワールドカップ3位に貢献。
同大会最多タイとなる3試合でマン・オブ・ザ・マッチに選ばれ、大会のシルバーボールにも選ばれた。
UEFA EURO2020予選のキプロス戦で代表100試合出場を達成、アザールはその試合で先制点を奪った。
エピソード
身長173センチと小柄なアザール選手だが当たりの激しさで知られるプレミアリーグにも適応を見せ、倒されるときは子供のころ習っていた柔道の受け身が役に立っていると話す。
私生活では2012年に21歳でナターシャさんと結婚している。
2人の出会いは同じ学校に通っていた14歳のときで、2010年には長男も生まれていた。
この年はアザール選手がフランスを離れイングランドでの挑戦を開始した年でもあり、キャリア上の大きな変化がきっかけになったのかもしれない。
2015年に英国のタブロイド紙『The Sun』は、少年時代からの恋人と結婚したアザール選手について、「ほかのプレミアリーグの選手のように彼をナイトクラブで発見することはできない。週給17万5000ポンド(約2550万円)を得て女性ファンの人気も高いが、彼は妻や子供たちとディズニーランドに行くことのほうを好む」と紹介した。
夫妻の間には3人の子供も生まれ家族仲は良好だが、ナターシャさんと子供たちは一般人であるため、プライバシーに配慮してかSNSに登場させることはない。
サッカー以外でアザール選手が愛するスポーツはバスケットボールだ。
特にニューヨーク・ニックスのファンとして知られ、お気に入りの選手はカーメロ・アンソニー選手。
NBAの試合がロンドンで開催されたときは会場に足を運んで観戦した。
2018年1月には、ヒューストン・ロケッツのクリント・カペラ選手をオールスターゲームに出場させようと、インスタグラムでファンに投票を呼びかける行動も見せた。
アザールの秘話を元同僚フィリペ・ルイスが明かした。
チェルシーでチームメイトだった彼は『2AngryMen TV』でこう述べたのだ。
「エデンはロッカールームでマリオカートをプレイしていたよ。
フィットネスコーチが『(キックオフまで)10分、ウォームアップに行くぞ』と言っても、彼は着替えもせずにプレイし続けていたんだ」
試合直前まで熱中するほどマリカーにハマっていたとか。
プレースタイル
エデン・アザールの最大の武器はやはりドリブルだ。
この点は、誰もが口を揃えて言うであろう。
アザールはドリブルの中でネイマールのような派手なフェイントはあまり使わない。
どちらかと言えば緩急を巧みに使いこなして相手を抜き去るというより“剥がして”いくドリブルを得意としている。
ボールを運び、一瞬スピードを緩め相手の足が止まった瞬間、再びギアを上げ縦、あるいは横へ突破。
これを止めるのが非常に難しい。
アザールは南米のドリブラーのようにフェイントを織り交ぜて抜き去るタイプというよりは、一瞬の加速で相手の前にスルッと入っていくドリブルが特徴的です。
アザールはトラップした瞬間に爆発的な加速で相手を置き去りにします。
また、ドリブルで運ぶ時に一瞬スピードを緩めて相手の足が止まった瞬間に一気に抜き去るというふうに緩急を使うのも抜群に上手いです。
もちろん高度なフェイントで相手を揺さぶるのも上手いですが、この加速力こそが大きな武器なのです。
そしてトップスピードに乗れば、どんなに優れたDFでもそう簡単に止めることはできません。
アザールの場合はトップスピードのドリブルでも基本的な技術が落ちることがありません。
しっかりボールをコントロールしながら細かいタッチで仕掛けていくことができます。
昨季のリーグ戦でアザールはトップとなる138回ものドリブルを成功させている。
2位のウィルフレッド・ザハ(クリスタル・パレス)が同113回であることから、その威力と質は明らかだろう。
では、同選手のドリブルがなぜこれほどまでに脅威となるのか。理由は様々あるだろう。
まずは圧倒的な加速力。
これは上記した通り、緩急の部分で役立っている。
もう一つは身体の使い方。
相手に寄せられた際に自らわざと身体を当てにいき、足を出させないことで簡単にボールを失うことがない。
仮に足を出されたとしても、ファウルになるケースが多い。
また、そこでうまく身体を相手より前に出せれば、守る側は後ろからボールを追わざるを得なくなり、奪うことが難しくなる。
もちろんこれはフィジカルがしっかりしていなければ成り立たないが、アザールはそのあたりの強さも兼ね備えているため、全体的に強度の高いプレミアリーグでもドリブルの威力を発揮することができるのだ。
過去のキャリアの中で大怪我が少ないのも、この辺りの屈強さからきているのだろう。
そしてアザールの恐ろしさはドリブルだけではない。
ラストパスの質が非常に高いのも、魅力的だ。
決定力の高さなどはもちろん、プレミアリーグで過去3度も二桁アシストを叩き出しているなど、アザールはゴール前でのアイデアも豊富。
昨季のプレミアリーグでもビッグチャンスの演出回数18回を記録しており、これは同リーグでは2番目に多い数字であった。
ドリブルしながら相手を引き付けラストパス。
この能力も高いとなると、相手DFにとってはお手上げ状態だ。
「ゴールに背を向けた状態でボールを受け、前を向いて仕掛ける」
アザールはこの動作も非常に速く、この動きだけで相手を抜くことができます。
体を上手く入れてブロックしながら一瞬でターンするので、DFは強引に倒すしか方法がありません。
他にも技術があるかと思いますが、以上のものがアザールのドリブルの主な特徴です。
そしてフリックもアザールの大きな武器になっています。
フリックとはパスが来た時に軽くボールに触れてパスコースを変えるプレーです。
DFを引きつけた状態からダイレクトで味方に繋ぐので、スペースを生み出しやすくなります。
自分が引くことで生まれたスペースにダイレクトで入れたりする感じですね。
このフリックがアザールはめちゃくちゃ上手で攻撃のアクセントになっています。
そして、アザールはフリックをした後にもう一度ボールを受けようと動きます。
味方を使いつつ最終的に自分が活きることをイメージしながら、一連の動作をしている印象です。