概略
生誕 | 1988年11月5日(31歳)![]() |
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愛称 | Chikoo | |||
身長 | 5 ft 9 in (1.75 m) |
ポジションはバッツマン、フィールダー。
右投右打。
世界最高の選手の一人であり、バッツマンとしてテスト形式とODI形式で世界ランキング1位[3]。国際クリケット評議会(ICC)から世界年間最優秀選手に贈られるサー・ガーフィールド・ソバーズ・トロフィーを2度受賞。
実業家でもあり、プロサッカークラブ・FCゴアの共同オーナー。
インドで最も影響力のある人物の一人であり、妻はボリウッド女優のアヌシュカ・シャルマ。
2008年にU-19インド代表主将としてICC U19クリケット・ワールドカップ優勝。
同年にトップチームのインド代表としてODIデビュー。
2011年にクリケット・ワールドカップ優勝。
2013年にICCチャンピオンズトロフィーで優勝し、ODI形式のバッツマンとして世界ランキング1位の座を初めて手にした。
2014年と2016年のICC T20ワールドカップでは大会最優秀選手。
2018年にクリケットの神様と評されるサチン・テンドルカールを上回る史上最速でODI通算10,000得点(ラン)を達成。
2019年に史上最少イニングで国際試合の通算20,000得点を達成。
IPLでは通算得点が歴代最多。
国際試合でのセンチュリー獲得数は歴代3位。
2019年シーズンのIPLでの年俸はリーグ最高の1億7000万ルピー。
インド代表での年俸は7000万ルピー。
収入の大半はスポンサー収入であり、2019年のフォーブスの調査によると、年収は2500万ドル。
クリケット選手として首位であり、世界のスポーツ選手でトップ100にランクインした。
スポンサー契約はGoogle、Uber、アウディ、プーマ等。
インドでスポーツ界を越えたスーパースターであり、アクシャイ・クマールなどインド映画のトップスターを抑え、最もブランド価値の高いセレブリティに選出された。
ソーシャルメディアでも高い人気を有しており、Facebook、Instagram、Twitterのフォロワー数は合計1億を越えている。
2017年にインド政府より民間人に贈られる4番目に格式の高い勲章のパドマ・シュリー勲章を受賞。
2018年にインド政府よりスポーツ界における最高栄誉賞のラジーヴ・ガンディー・ケール・ラトナ賞を受賞。
2018年にタイム誌によって世界で最も影響力のある100人に選出された。
2019年のESPNの調査によると、世界で最も有名なアスリート7位であり、テニスのラファエル・ナダルやゴルフのタイガー・ウッズを上回った。
受賞・栄典
インド政府
- 2013 – アルジュナ賞:インドのスポーツ界における栄誉賞
- 2017 – パドマ・シュリー勲章:インドの民間人に贈られる四番目に格式がある勲章
- 2018 – ラジーヴ・ガンディー・ケール・ラトナ賞:インドのスポーツ界における最高栄誉賞。クリケット選手ではテンドルカール、ドーニに次いで史上3人目。
その他
- サ―・ガーフィールド・ソバーズ・トロフィー(ICCプレーヤー・オブ・ザ・イヤ―賞):2回(2017, 2018)
- ICC・ODI・プレーヤー・オブ・ザ・イヤ―賞 :3回(2012, 2017, 2018)
- ICC・テスト・プレーヤー・オブ・ザ・イヤ―賞:1回(2018)
- ICC・ODI・チーム・オブ・ザ・イヤ―賞:5回(2012, 2014, 2016, 2017, 2018)
- ICC・テスト・チーム・オブ・ザ・イヤ―賞:2回(2017、2018)
- ポリー・アムリガー賞、インターナショナル・クリケッター・オブ・ザ・イヤ―賞:5回(2011–12, 2014–15, 2015–16, 2016–17, 2017–18)
- ウィズデン・リーディング・クリケッター・イン・ザ・ワールド賞:3回(2016, 2017, 2018)
- CEAT・インターナショナル・クリケッター・オブ・ザ・イヤ―賞:3回(2011-12, 2013-14, 2018-19)
- バーミー・アーミー 、インターナショナル・プレーヤー・オブ・イヤ―賞:2回(2017, 2018)
世界記録
- 2018年に史上初のICC個人トップタイトル3つを単年で獲得
- ワールドカップで史上最長の5試合連続50得点
- ODI形式で史上最少イニングの通算8,000得点
- ODI形式で史上最少イニングの通算9,000得点
- ODI形式で史上最少イニングの通算10,000得点
- ODI形式で史上最少イニングの通算11,000得点
- 国際試合で史上最少イニングの15,000得点
- 国際試合で史上最少イニングの20,000得点
- トゥエンティ20形式で史上最少イニングの2,000得点
- ODI形式で史上最少イニングの30センチュリー
- ODI形式で史上最少イニングの40センチュリー
- キャプテンとして史上最多タイのテスト形式9連勝(2015–2017)
- キャプテンとしてODI形式で史上最少イニングの1,000得点
- キャプテンとしてODI形式で史上最小イニングの2,000得点
- キャプテンとしてODI形式で史上最少イニングの3,000得点
- キャプテンとしてODI形式で史上最少イニングの4,000得点
インド記録
- ODI形式で史上最少イニングの1,000得点
- ODI形式で史上最少イニングの5,000得点
- ODI形式で史上最少イニングの10,000得点
- 史上初のODI形式で3試合連続センチュリー
- ODI形式で史上最少イニングの10センチュリー
- ODI形式で史上最少イニングの25センチュリー
- 国際試合で単年の史上最多得点 – 2017年に通算2,818得点
その他
- ODI形式で年間最多得点(2017, 2018)
- テスト形式で年間最多得点(2018)
- インド人としてODI形式で年間最多得点(2010, 2011, 2012, 2013, 2014, 2016)
- インド人としてテスト形式で年間最多得点(2012, 2015, 2016)
経歴
2006– | ![]() |
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2008- | ![]() |
代表 | インド | |||
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初テスト(cap 269) | 2011年6月20日 対 西インド諸島 | |||
最新テスト | 2019年1月3日 対 オーストラリア | |||
初ODI(cap 175) | 2008年8月18日 対 スリランカ | |||
最新ODI | 2019年7月9日 対 ニュージーランド | |||
ODI背番号 | 18 | |||
初T20I(cap 31) | 2010年6月12日 対 ジンバブエ | |||
最新T20I | 2019年2月27日 対 オーストラリア |
ヴィラット・コーリは1988年11月5日、刑事弁護士の父プレム・コーリと専業主婦の母サロジ・コーリとの間にインドの首都デリーで生まれた。
兄はヴィカス、姉はバーヴナの末っ子。父の話によると、コーリは3歳の時からクリケットバットのスイングをしており、自分に向けてボールを投げるように頼んでいた。
デリーで育ち、公立学校に入学。
1998年にウェストデリー・クリケット・アカデミーが創設され、9歳だったコーリはそれに加入した。
コーリはスポーツだけではなく学業の成績も大変優秀で、教師は「明るく機敏な子供」として覚えていると語った。
コーリの父は2006年に1カ月間寝たきり状態になった後、脳卒中で死亡した。
コーリによると、父は最大の援護者であり、クリケットの練習で毎日コーリを指導していた。
コーリが19歳だった2008年3月にインディアン・プレミアリーグ(IPL)のロイヤル・チャレンジャーズ・バンガロールとユース契約をした。
IPLデビューとなった2008シーズンは13試合に出場し、165得点、打率15.00とあまりいい結果は残せなかった。
2年目の2009シーズンは16試合に出場し、246得点、打率22.36と多少成績が伸びた。
2010シーズンはさらに成長し、チームメイトで3番目の得点となる307得点を記録した。
打率も27.90、ストライクレートは144.81まで向上した。
2011シーズンの前には、コーリはロイヤル・チャレンジャーズ・バンガロールに保持されていた唯一のプレーヤーであった。
その年のシーズンには副キャプテンを務めるようになり、当時キャプテンだった選手が怪我で不出場の場合は代わりにコーリがキャプテンを務めた。
当時のレイ・ジェニングス監督は、「コーリはこのチームのキャプテンを務めるに留まらず、インド代表のキャプテンにもなるだろう。」と発言した。
コーリはその2011シーズンでは16試合に出場し557得点、打率46.41と大活躍し、ESPN cricinfoによってIPLベストイレブンに選出された。
チームも準優勝という好成績でシーズンを終えた。2012シーズンは16試合に出場し、364得点、打率28.00と平凡な成績に終わった。
コーリは2013シーズンからチームのキャプテンに指名された。
そのシーズンはチームは5位に終わったものの、コーリの個人成績は際立っていた。
16試合に出場し634得点、打率45.28を記録した。
2004と2005シーズンは359得点、505得点とまずまずの成績で終わった。
2016シーズンはコーリが最も活躍したシーズンとなった。
チームは準優勝に終わったものの、16試合に出場し、973得点、打率81.08と圧倒的な数字を残した。シーズンの最多得点者となり、シーズン最優秀選手に選出された。
また、史上初めてIPL通算4,000得点を越えた選手となった。
2017シーズンは肩の怪我のため序盤戦は不出場だったこともあり、10試合に出場し、308得点、打率30.80と不振に終わった。
2018シーズンは14試合に出場し、530得点、打率48.18だった。
コーリは年俸が1億7000万ルピーでリーグ最高年俸となった。
2009シーズンは14試合に出場し、464得点、打率33.14であった。
コーリはスレシュ・ライナに次いで史上2人目のIPL通算5,000得点を突破した。
2019シーズン終了時で、コーリは通算5,412得点で歴代首位である。
代表では2002年10月にデリーのU-15のチームの選手として、2002-03シーズンのポリー・アムリガー・トロフィーに初参戦した。
主力としての能力を発揮し、通算172得点、打率34.40を記録した。
2003-04シーズンではチームのキャプテンとなり、5イニングで390得点、打率78.00を記録した。
2004年にはヴィジャイ・マーチャント・トロフィーの大会のため、デリーのU-17の選手に選出された。
この大会で4試合で470得点、打率117.50、最高得点251という目覚ましい活躍を見せた。
2006年7月、コーリはU-19のインド代表に選出され、イングランドツアーに参戦した。
ODIの3試合では2イニングに出場し、105得点を記録した。
また、その後のテストシリーズでは打率49.00を記録した。2008年2月にはICC U19クリケット・ワールドカップがマレーシアで開催された。
コーリはチームのキャプテンに指名され、打順は3番となった。
全6試合に出場し、1度のセンチュリーを含む合計235得点と大活躍をした。
チームは6戦全勝で優勝した。
大会後、インディアン・プレミアリーグ(IPL)のロイヤル・チャレンジャーズ・バンガロールとユース契約をした。
2011年ワールドカップは、コーリはワールドカップ直前にODI形式で合計5試合行う南アフリカツアーに参加した。
このシリーズで通算193得点、打率48.25、50得点以上を2回という好成績を残し、ODIバッツマンとしてのICCランキングで世界2位まで上昇した。
その後、コーリはワールドカップの代表メンバーに選出された。
スレシュ・ライナも選出されたことで、どちらがレギュラー11人に入るか話題になったが、キャプテンのMSドーニはコーリがレギュラーになることを示唆した。
決勝のスリランカ戦では35得点獲得し、コーリはワールドカップのタイトルを初めて獲得した。
大会最優秀選手にはチームメイトのユブラジ・シンが選出された。
2013年チャンピオンズトロフィーは、コーリは大会直前のスリランカ戦で144得点の大活躍をし調子を上げた。
その数日後の2013年6月6日にイングランドとウェールズの共催でICCチャンピオンズトロフィーが開幕した。
インドはグループリーグを3戦全勝で首位通過した。
コーリの成績は初戦の南アフリカ戦で31得点、第2戦の西インド諸島戦で22得点、第3戦のパキスタン戦はノットアウトで22得点だった。
インド代表は準決勝のスリランカ戦と決勝のイングランド戦にも勝利し、見事に全勝優勝した。
チャンピオンズトロフィーはワールドカップに次ぐ権威のある大会とされる2011年に続きビッグタイトルを手にした。
コーリは準決勝では58得点、決勝では43得点した。
大会通算得点は176得点で全選手5位。
打率は58.88だった。
2015年ワールドカップは、アデレードで行われたパキスタンとの初戦で、コーリは107得点でセンチュリー獲得という大活躍をした。
その後のグループリーグ5試合の成績は5試合連続で50得点以下と平凡ではあったが、インドは見事に6連勝の首位通過で決勝トーナメントに進出した。
準々決勝はロヒット・シャルマの大活躍でバングラデシュ戦にも勝利し、7連勝とさらに勢いをつけてた。
だが準決勝の開催国オーストラリア戦で僅か1得点しか挙げられず、チームも敗北し2度目のワールドカップを終えた。
2017年チャンピオンズトロフィーは、コーリはインド代表のキャプテンに指名され、2017年6月1日に開幕したイングランドとウェールズの共催のチャンピオンズトロフィー2連覇に挑戦した。
初戦のパキスタン戦では81得点し、チームも勝利した。
第2戦のスリランカ戦は0得点と不振に終わり、チームも初黒星を喫した。第3戦の南アフリカ戦では76得点と活躍し、チームも勝利した。
インド代表はグループリーグを2勝1敗で首位通過をし、決勝トーナメントへ進んだ。
準決勝のバングラデシュ戦では、ノットアウトの96得点と大活躍した。
ロヒット・シャルマは123得点のセンチュリーをし、チームは決勝へ進んだ。
決勝戦のパキスタン戦では5得点に沈み、チームも敗退し準優勝という結果で幕を閉じた。
2019年ワールドカップは、4月にインド代表のキャプテンに指名されたコーリは、2019年5月下旬に開幕したクリケット・ワールドカップに挑んだ。
パキスタン戦では、ODI通算で史上最小225イニングでの通算11,000得点という大記録を達成した。
その11日後の西インド諸島戦では、国際試合で史上最少417イニングでの通算20,000得点という大記録も達成した。
インド代表はグループステージを首位通過したが、準決勝のニュージーランド戦で敗退した。
エピソード
2013年にボリウッド女優のアヌシュカ・シャルマをデートを始めた。
インドを代表するセレブリティ同士のビッグカップルということもあり、インドでは大きな関心を集めた。
2人は2017年12月11日にイタリアのフィレンツェでプライベートセレモニーを挙げ、結婚した。
クリケットの次に好きなスポーツはサッカーである。
2014年にはインディアン・スーパーリーグのFCゴアの共同オーナーとなった。
当時FCゴアの監督であったジーコらと共に記者会見をしたコーリは、「インドのサッカーを向上させたい。」と発言し、サッカーに対する強い情熱をもっていることを表明した。
コーリは2013年3月、ヴィラット・コーリ・ファンデーション(Virat Kohli Foundation, VKF)という慈善団体を設立した。
恵まれない子供たちを支援することを目的とし、慈善団体の資金を集めるためのイベントを実施している。
NGOと協力しながら活動を行っている。コーリはVKFが所有しているサッカーチームであるオールハート・フットボールクラブのキャプテンを務めている。
2016年にはインドの映画俳優のアビシェーク・バッチャンが所有するボリウッドスターが揃うオールスターズ・フットボールクラブと対戦した。
クリケットのトップスターであるマヘンドラ・シン・ドーニやユブラジ・シン等も参加し、この一戦はインドでセレブリティ・クラシコと言われた。
プレースタイル
プレーは極めて高い技術的スキルを備えており、攻撃能力の高いバッツマンである。
打順は主に3番のミドルオーダーであるが、先頭打者であるオープニングオーダーとなる場合もある。
バッテングスタイルはやや胸を広げた構え方をしており、クリケットバットを強く握りることで素早く状況に対応する能力が高い。
射撃の幅が広いこと、イニングを自分のペースでリードする能力、そしてプレッシャーの下でも能力を発揮する力が高いことでも知られている。
コーリは好きな打撃方法がカバードライブであると共にフリックショットも体が自然に反応すると述べた。
クリケットボールのスウィーパーではないと言われるように、スウィープショットは頻繁にしない。
コーリのチームメイトは、彼の自信、献身性、集中力、職業倫理を称賛している。
守備能力の高いフィールダーでもある。
コーリはODI形式において、とりわけ得点能力に関して世界で最も優れたバッツマンとみなされている。
コーリは得点を重ねるべきどんなシチュエーションも好きで、難しい場面にチャレンジし、自分をテストしたいと語った。
プレースタイルはクリケットの神様と言われるサチン・テンドルカールに似ており比較されることが多い。
テンドルカールの後継者を評されることもある。
インドのクリケット界のレジェンドはコーリがテンドルカールの伝説的な世界記録を破ることを期待している。
コーリの子供の頃のアイドルはテンドルカールであり、プレーを懸命に真似たり、具体的な行動や考え方の模範とする存在であった。
西インド諸島代表で世界も最も強力なバッツマンの一人であったヴィヴ・リチャーズは、コーリのプレーが自分を思い出すと語った。
リチャーズは2015年に、コーリは既にODI形式において伝説的選手と評価しており、オーストラリアの元クリケット選手のディーン・ジョーンズはコーリを「世界クリケットの新しい王様」(new king of world cricket)と語った。
2018年9月には西インド諸島のレジェンドであるブライアン・ララは、コーリを世界最高のバッツマンの一人と評価した。