概略
国籍 | ![]() |
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生年月日 | 1991年3月21日(29歳) | ||
出身地 | マコン | ||
身長 | 176cm | ||
体重 | 73kg |
ポジションはフォワード(セカンドトップ、左ウイング)、ミッドフィールダー(オフェンシブハーフ)。
利き足は左。
2010年代のフランス代表のエース。
何でもできる万能アタッカー。
2018年ロシアワールカップ優勝の立役者。
獲得タイトル
クラブ
- レアル・ソシエダ
- セグンダ・ディビシオン:1回(2009-10)
- アトレティコ・マドリード
- スーペルコパ・デ・エスパーニャ:1回(2014)
- UEFAヨーロッパリーグ:1回(2017-18)
- UEFAスーパーカップ:1回(2018)
代表
- UEFA U-19欧州選手権(2010年)
- FIFAワールドカップ(2018年)
個人
- UEFA EURO 2016・最優秀選手賞(2016年)
- UEFA EURO 2016・ゴールデンブーツ(2016年)
- UEFA EURO 2016・ベストイレブン(2016年)
- リーガ・エスパニョーラ・最優秀選手(2015-16年)
- UEFAチーム・オブ・ザ・イヤー(2016年)
- 2018 FIFAワールドカップ・ブロンズボール(2018年)
- 2018 FIFAワールドカップ・シルバーブーツ(2018年)
経歴
クラブ | |||
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年 | クラブ | 出場 | (得点) |
2009-2014 | ![]() |
180 | (46) |
2014-2019 | ![]() |
180 | (94) |
2019- | ![]() |
17 | (7) |
代表歴2 | |||
2010 | ![]() |
7 | (3) |
2011 | ![]() |
8 | (1) |
2010-2012 | ![]() |
10 | (2) |
2014- | ![]() |
69 | (28) |
クラブ
13歳のときにASサンテティエンヌのトライアル生として大会に参加していた所、レアル・ソシエダのスカウトに才能を見込まれ下部組織に入団した。
プレシーズン、その夏にBチームへ昇格したばかりだったにもかかわらず5ゴール(チーム1位)を挙げ、一躍注目を浴びた。
開幕からトップチームに帯同し、2009年9月6日のレアル・ムルシア戦で途中出場して18歳でリーガデビューすると、9月27日のSDウエスカ戦では初先発と初得点を記録し、その後はレギュラーの座を確保した。
プレミアリーグのアーセナルやトッテナム・ホットスパーなどからオファーがあったものの、2014年7月28日、アトレティコ・マドリードへの移籍合意が発表。
アトレティコではディエゴ・シメオネの下で2トップの一角としてプレーする。
1年目の前半戦は苦労したが、アトレティコ式の守備を覚えた後半戦は好調を維持し、22ゴールと結果を残した。
2年目の2015-16シーズンにはUEFAチャンピオンズリーグでバルセロナ、バイエルン・ミュンヘン相手にゴールを上げ、チームをファイナルへ進出させる原動力となった。
2017-18シーズンのUEFAヨーロッパリーグ決勝では母国のオリンピック・マルセイユ相手に2ゴールを決め、アトレティコの優勝に貢献した。
さらに、後半終了間際にはシーズン終了後アトレティコを離れることが決まっていたフェルナンド・トーレスへの交代をベンチに要求し、トーレスは優勝の瞬間ピッチに立つことができた。
2019年5月14日、2018-19シーズン限りでの退団を発表した。
「多くの愛情をくれたファンに伝えたかった。僕はここから離れ、自分の実力を試すために新しいチャレンジをすることを決めた。このクラブで最初のトロフィーを獲得することができ、とてもかけがえのない5年間だった。君たちに対しては感謝しかない。」と、クラブ公式SNSで感謝の意を述べた。
しかしサポーターはそれを許さず、最終節では「出てけ」という痛烈なチャントを浴びせられた。
2019年7月12日、FCバルセロナに移籍し、5年契約を結んだ。
バルセロナから契約解除金の1億2000万ユーロがアトレティコ・マドリードに支払われ、バルセロナは8億ユーロの契約解除条項を設定した。
背番号は17番を選択した。
しかし同年9月にはリーグ機構はバルセロナが獲得に際して不正を行ったとして、バルセロナに300ユーロの罰金を科したことを発表した。
9月25日、レアル・ベティス戦で自身移籍後公式戦初得点を含む2得点1アシストの活躍でチームを5-2の勝利へと導いた。
代表
フランス代表として各年代の代表でプレーし、2010年に開催されたUEFA U-19欧州選手権においては、U-19フランス代表の一員としてピッチに立ち、チームの優勝に貢献した。
また、この時のメンバーにはアレクサンドル・ラカゼットらがいた。
2012年11月、U-21代表の招集中にヤン・エムヴィラ、ウィサム・ベン・イェデル、クリス・マヴィンガ、エムベイェ・ニアンらと共に夜遊びをし、2013年12月31日まで世代別代表を含む代表戦への出場停止処分を受けた。
出場停止解除後の2014年3月5日、オランダとの親善試合でA代表初出場を果たした。
同年6月1日のパラグアイとの親善試合で代表初得点を記録。
2014 FIFAワールドカップ本大会では、得点こそなかったが大会直前に離脱したフランク・リベリーの穴を埋める活躍をみせた。
地元開催となったUEFA EURO 2016本大会では、グループステージ第2戦のアルバニア戦で途中出場ながら、試合終了間際に均衡を破るヘディング弾を決めた。
ラウンドオブ16のアイルランド戦では同点、逆転となる2得点を挙げ勝利に貢献した。
準々決勝のアイスランド戦では、チームの4得点目にしてUEFA EURO 2016本大会通算100得点目を決めた。
準決勝のドイツ戦でも2得点を挙げ、1984年大会のミシェル・プラティニの9得点に次ぐ、史上2位となる大会通算6得点を記録。
決勝のポルトガル戦では得点を奪えずフランスも準優勝に終わったが、ゴールデンブーツ(得点王)に加え、最優秀選手賞を審査員の全会一致で受賞した。
2018 FIFAワールドカップでは、初戦のオーストラリア戦、決勝トーナメント1回戦のアルゼンチン戦でペナルティーキックで得点を記録。
準々決勝ウルグアイ戦では自身のシュートが相手キーパーフェルナンド・ムスレラのミスを誘いゴールを奪った。
決勝のクロアチア戦では、18分に自ら蹴ったフリーキックから相手チームのマリオ・マンジュキッチのオウンゴールを誘発し先制点をもたらすと、38分にはペナルティーキックでゴールを挙げ4-2の勝利に貢献。
大会通算4得点でブロンズボール賞、シルバーブーツ賞を受賞。
フランスの優勝に貢献した。
エピソード
憧れの選手はオリンピック・リヨンで2年連続リーグ・アン得点王を獲得したソニー・アンデルソン。デイヴィッド・ベッカムの大ファンであり、好んで着用している「背番号7」と「長袖」は彼から影響を受けている。
また、幼い頃からオリンピック・マルセイユのファンであることを公言している。
グリーズマンは幼少の頃からサッカーの才能に恵まれていた。
しかし、自らの努力でどうしようもなかったのが、体格だ。
彼は10代の前半、憧れだったリヨンを含めて、フランスの9つのクラブの入団テストを受けたが、すべてのクラブが獲得に難色を示した。
グリーズマンは当時、サッカーをやめることさえ頭に浮かんだという。
「正直、難しかった。入団テストでどれだけ頑張っても、どのクラブも返答は同じなんだ。『体があまりにも小さいから、もう少し時間を置きたい』。決まって、そう言われるんだよ。プロのサッカー選手になる夢を持っていた僕にとっては、プロクラブに入団すれば、より多くのことをより速く学べると考えていた。そうした焦りは入団テストで断られる度に強くなっていって……『もうフットボールをやめた方がいいんじゃないか』とさえ考えるようになった」
NBAに憧れてレブロン・ジェームズにように自ら紙吹雪を振りまくゴールパフォーマンスを見せたり、髪型にも気を遣っていたりとエンターテインメント色の強い部分もあるが、その反面、とてもナイーブで、涙脆くもある。
アトレティコ・マドリード時代、フェルナンド・トーレスから「俺たちはお前を必要としている」と言われてピッチ上で涙を流し、ロシアW杯優勝の直後には喜びで顔をぐしゃぐしゃにしていた。
その二つの側面が、彼という選手をもっと魅力的にしている。
ゴール後に行うダンスセレブレーションはカナダのミュージシャンドレイクの楽曲「Hotline Bling」から来ている。
ゲーム「フォートナイト」のプレイヤーであり、インタビュー動画にてゲーム内に登場するダンス「エモート」を踊っている。
また、2018年頃から行っているゴールパフォーマンスとして「負け犬が!」のエモートを踊っている。
サッカーゲームはFIFAシリーズとPES(ウイニングイレブン)両方をプレイしており、アトレティコ時代からInstagramのストーリー等でプレイする姿を投稿している。
また、コナミと契約しているバルセロナ移籍後はスペインのPESコミュニティでの大会に参加する等の活動をしている。
プレースタイル
スピード感溢れるドリブルだけでなくセットプレーも担当するなどキックの質も高いアタッカー。
DFライン裏への抜けだしや空中戦に強くヘディングを得意とする。
そんなグリーズマンはまさに前線の“何でも屋”だ。
決定力が極めて高く、得点パターンが豊富。
身長176cm、体重73kgと大柄なタイプではないが、左足から放たれるシュートは抜群のパンチ力を誇っており、ゴールから離れた位置からでも正確に枠を捉えることができる。
また、相手DFを翻弄するテクニックも持ち合わせている。
左右両足を巧みに使いこなすことで抜群のキープ力を発揮し、マークしてくる選手を引き付けてから味方へ決定的なパスを送る。
その精度も極めて高い。
過去3シーズン、グリーズマンは公式戦で10アシスト以上を続けて叩き出している。
そのあたりからも、同選手の味方を使う上手さ、パスの正確さが滲み出ていると言えるだろう。
ドリブルの技術も高いため、サイドで起用しても面白いのだが、やはり中央の方が同選手の特長は発揮されやすい。
裏へ抜けるスピードとタイミングも抜群で、とくにアトレティコではジエゴ・コスタとの相性は申し分なかった。
味方を生かし、味方に生かされる能力が高いグリーズマンはまさに状況に応じて別の顔を見せることができる選手なのだ。
また、アトレティコではシメオネ監督の下、守備意識の高さも身に付けた。
決してディフェンスがうまいわけではないが、前線から果敢にプレスを与えにいくことを厭わず、危険と見れば身体を投げ出してボールを刈ることもできる。