概略
誕生日 | 1999年8月10日(21歳) |
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国 | ![]() |
出身地 | サウスカロライナ州ダルゼル |
出身 | マレー州立大学 |
ドラフト | 2019 2位 |
背番号 | 12 |
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身長 | 191cm (6 ft 3 in) |
体重 | 79kg (174 lb) |
シューズ | ナイキ |
ポジションはポイントガード。
右利き。
2019-2020シーズンの新人王。
メンフィス・グリズリーズを率いる若きエース。
未来のスーパースター候補生の一人。
受賞歴 | |
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経歴
クラブ経歴 | |
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2019- | メンフィス・グリズリーズ |
2019年6月20日のNBAドラフトでメンフィス・グリズリーズから1巡目(全体2位)指名を受けた(ザイオン・ウィリアムソン(デューク大学)に次ぐ)。
背番号は前シーズンに渡邊雄太が着けていた「12」に決まった。
右膝の手術の影響によりサマーリーグには出場しなかった。
先発ポイントガードのマイク・コンリーがトレードで放出されたことにより、2019-20シーズンは新人ながら開幕戦から先発出場し続けた。
2020年2月9日のワシントン・ウィザーズ戦で27得点10リバウンド10アシストを記録、20歳5ヶ月の若さでトリプルダブルを達成した。
平均アシスト数は新人で1位であり、再建中のグリズリーズをプレーオフ目前まで導いた功績と、対抗馬とされていたドラフト1位のザイオン・ウィリアムソンの欠場数の多さから、オフに新人王を受賞した。
エピソード
大学2年のシーズンで、モラントは高い身体能力を証明する凄まじいダンク、手術医のように正確なパス能力で注目を浴びた。
それに加え191センチという高身長であり、スターポイントガードになれる素質をすでに持ち合わせているのだ。
しかしオハイオ・バレー・カンファレンス(OVC)に属するマレー・ステイト大学で圧倒的な活躍をしただけでは、実際に高いレベルで活躍できるのかを疑問視する声も少なくはなかった。
モラントはそういった批判が間違っていることを証明するため、手始めにアラバマ大学相手に38得点、5アシストという活躍を見せた。
続いてオーバーン大学では25得点、7アシストを記録。
オーバーン大は、今年全米制覇を達成したバージニア大学にファイナルフォー(準決勝)で敗戦したチームだ。
さらにNCAAトーナメント1回戦では30得点、16アシスト、11リバウンドという活躍で、マーケット大学を相手に下位シードながらもマレーステイト大を勝利へと導いた。
彼のオフェンス能力に目を奪われる人も多いだろうが、チームが最も好むモラントの特徴はそのリーダーシップ能力だろう。
今年のマレー・ステイト大はさほど期待はされていなかったのだが、モラントの活躍もあって28勝5敗の成績でOVC首位を獲得している。
プレースタイル
細身ですが身体能力が高く、ビッグマンの上から平気でダンクすることができます。
また、ボールハンドリングスキルにも優れており、身体能力とスキル共にハイレベルといえます。
高い身体能力を持ちながら、緩急をつけて相手に揺さぶりをかけるテクニックも持ち合わせている。
身長は191cmでNBAのポイントガードとしては平均的ながら、両手で軽々とダンクができる高い跳躍力がある。
191cmの身長、それ以上のウィングスパンを持ちながら高い身体能力とバネを持ち合わせたモラントは、すでに磨きのかかった選手でありながらもまだ天井が高い。
モラントを一言でいえばアクロバティックなポイントガードでしょう。
クイックネスがあってジャンプ力が高いです。
身体能力を活かした派手なプレーが多く、見ていて楽しいプレイヤーだと思います。
スラッシャータイプなので、怪我だけは気をつけてほしいですね。
また、身体能力だけに頼るのではなく、ボールハンドリングスキルやシューティング能力、ポイントガードに必要な周りを活かすプレーもすることができます。
まだNBAキャリアは浅いですが、非常にバランスがとれていると思います。
モラントのゲームで特に気に入っているのは、身体能力に頼ってただまっすぐドライブを仕掛けるだけの選手ではないところだ。
彼は横の動きや、緩急を使ってディフェンダーのバランスを崩しにかかる。
彼ほどの身体能力を持っている多くの選手は、バスケットへの最短距離を探し、頭を下げて突進する傾向になる。
しかしモラントは相手を揺さぶって抜いていくスキルを持っており、NBAレベルのディフェンダー相手にその能力は助けになるはずだ。
さらにモラントの良いところは、そういった素早しい方向転換についていけるほどのボールハンドリング能力が備わっていることだ。
ドリブルムーブのレパートリーは広く、狭いディフェンスの間を潜りながらもドリブルをキープすることができる。
若いポイントガードにとって、NBAの最初の壁がハンドリング能力の欠如を露呈されることが多いなか、彼にとっては強みとなるだろう。
ハイライトに取り上げられやすいのはモラントのバネから繰り出されるプレイだが、NBAレベルで最もインパクトを残すのはパス能力かもしれない。
モラントのスペースと角度を読む能力は優れており、ほかの選手が夢にも見ないようなパスを出すことができる。
彼のパスはただ空いたシューターを見つけるだけではなく、シューターがリリースのためにちょうど加速し始める最適な手の高さにボールを出せる。
トランジションでも単純に合わせの選手にパスを出すだけではなく、ボールキャッチから得点まで減速しないままもらえる位置にボールを出せる。
ビッグマンにパスする際にも、その選手のディフェンダーの位置を把握し、パスを受けてそのままターンからレイアップへと繋げられる方の肩に出せるのだ。
バスケットボールにおいてパスが重要なのは誰もがわかっていることではあるが、真のエリートパサーが現れることはなかなかない。
モラントは間違いなくその分野でも世界レベルの才能を持ち合わせている。
ただ欠点としては全ポゼッションにおいてオフェンスを生み出そうとするその姿勢から、ターンオーバーを量産してしまうケースも少なくない。
今シーズン出場した31試合中、18試合で5ターンオーバー以上を記録しており、NBAコーチはこの数字を決して見過ごしてはくれない。
パスするためにジャンプしたり、狭いところに突っ込んで派手なプレイをしようとした結果生まれたターンオーバーが多かった。
モラントの課題は、相手にとって危険なスコアラーでありながらも、安全で堅実なプレイもできる選手になることだ。
モラントの凄まじいダンクのハイライトは既に見たことがあれば、彼が優れたフィニッシャーであるという印象を持っているかもしれない。
確かに彼はディフェンダーの上から叩き込むほどの跳躍力は持っているが、接触しながらフィニッシュをするという意味ではまだ成長が必要だと思われる。
体格的には線がまだ細いため、筋力アップすることでフィニッシュ力を上げることもできるだろう。
ボールを持って力強いフィニッシュをするよりも、少し遠くからソフトなフィニッシュを選択することが多かったため、狭い場所からのシュートを外すことも頻繁だった。
接触するのではなくフローターを選択しながらも、高い確率でそういったショットを決めることができていなかった。
良いフィニッシャーになる素材を持っていながらも、まだそれを有効活用できている形ではない。
モラントのリリースの低いジャンプショットに関しても、疑問視する声が多い。
成功率も波があるため、フォームからの再構築が必要な可能性もある。
ドリブルからのジャンプショットが多かったことが、成功率の波に影響していたため、NBAレベルではそういった難しいショットを減らして成功率が向上することが予想される。
平均以下のシュート力を補うだけのオフェンス能力を持ち合わせた選手だとは思うが、問題はシュート力の低いボールを持つポイントガードが近代NBAでどこまで活躍できるか、というところだろう。
モラントという選手を通して、その答えを知ることになりそうだ。