概略
国籍 | ![]() |
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生年月日 | 2000年5月28日(21歳) | ||
出身地 | ストックポート | ||
身長 | 171cm | ||
体重 | 70kg |
Phil Foden
ポジションはミッドフィールダー(オフェンシブハーフ)、フォワード(左ウイング、右ウイング)。
利き足は左。
「ストックポートのイニエスタ」とも称されている。
マンチェスター・シティで活躍するイングランド代表の神童。
マンチェスター・シティでは2020-21シーズンのUEFAチャンピオンズリーグで準優勝に貢献した。
また準優勝したEURO2020ではイングランド代表のスタメンとして活躍した。
獲得タイトル
クラブ
- マンチェスター・シティFC
- プレミアリーグ: 2017–18, 2018–19, 2020-21
- EFLカップ: 2017–18, 2018–19, 2019-20, 2020-21
- FAコミュニティ・シールド: 2018, 2019
- FAカップ: 2018–19
- UEFAチャンピオンズリーグ準優勝:2020–21
代表
- FIFA U-17ワールドカップ: 2017
- UEFA U-17欧州選手権準優勝:2017
- EURO2020:準優勝
個人
- FIFA U-17ワールドカップ・ゴールデンボール:2017
- プレミアリーグ・最優秀若手選手賞:2020-21
- PFA年間最優秀若手選手賞:2020-21
- UEFA欧州選手権U-17チャンピオンシップチーム:2017
- BBCヤングスポーツパーソナリティオブザイヤー:2017
- アラン・ハーデイカートロフィー:2020
- UEFAチャンピオンズリーグシーズンオブザチーム:2020–21
- プレミアリーグ年間最優秀選手:2020–21
経歴
クラブ | |||
---|---|---|---|
年 | クラブ | 出場 | (得点) |
2017- | ![]() |
69 | (15) |
代表歴 | |||
2015-2016 | ![]() |
8 | (2) |
2016-2017 | ![]() |
23 | (11) |
2017 | ![]() |
2 | (1) |
2018 | ![]() |
3 | (1) |
2018- | ![]() |
15 | (4) |
2020- | ![]() |
8 | (2) |
クラブ
9歳からマンチェスター・シティFCの下部組織に所属。
2017年7月23日、プレシーズン大会のインターナショナル・チャンピオンズ・カップのマンチェスター・ユナイテッドFC戦で先発に抜擢されると、ジョゼップ・グアルディオラ監督が絶賛した。
11月22日、UEFAチャンピオンズリーグ第5節のフェイエノールト戦でCLデビューを果たした。
2018年9月25日、カラバオ・カップ3回戦のオックスフォード・ユナイテッドFC戦でトップチーム初得点を決めた。
12月10日、マンチェスター・シティFCとの契約を2024年まで延長したことが発表された。
2019年4月21日、第34節のトッテナム戦でプレミアリーグ初得点を決めた。
2021年2月7日、第23節のリヴァプール戦では今季公式戦で10得点目となる得点をきめて勝利に貢献した。
4月14日、UEFAチャンピオンズリーグ準々決勝の2ndレグのドルトムント戦では決勝点をきめて準決勝進出に貢献した。
代表
2017 FIFA U-17ワールドカップのU-17イングランド代表に選出されると、決勝まで勝ち進んで大会初優勝に貢献した。
自身も最優秀選手賞を獲得した。
2020年8月、UEFAネーションズリーグ、アイスランド、デンマーク戦を戦うメンバーとして、フル代表に初招集され、6日のアイスランド戦でフル代表デビュー。
しかし、そのアイスランド遠征の際にメイソン・グリーンウッドと共に女性をホテルに連れ込むというトラブルを起こし、規律違反を犯したとしてグリーンウッドと共に代表から追放処分を受け、自身のツイッターで謝罪する羽目になった。
11月に追放から代表復帰を果たして、18日のアイスランド戦で2ゴールを挙げて代表初ゴールをきめた。
エピソード
マンチェスター市内中心部から約11kmのストックポートが故郷で、家族は筋金入りのシティファン。
フィル・フォーデンの幼少期は常にサッカーと一緒だった。
5歳の頃からストリートで友達とサッカーをし、技術を磨いた。
買い物にいくにも常にサッカーボールと一緒だったストックポートの少年のシティでのキャリアは8歳から始まる。
8歳の時、学校でマンチェスターシティにスカウトされる。
2014年シティがシティ・フットボールアカデミーを設立すると、フォーデンを取り巻く環境は大きく変わっていく。
学校、居住スペース、12面のアカデミー用の練習コートを要するアカデミーには世界中から多くの有望な若手が集まる。
競争の激しい世界の中フォーデンは当時を次のように回想している。
朝起きるとすごく不安な歩もあれば、逆に自信に満ち溢れた日もある。今でも不安だった日々を思い出すよ。昔はとても小柄でフィジカル面に悩むことも多かったからね。
dazn football freaks
自信と不安が交錯する日々の中、フォーデンは大きく成長していく。
2017年プレシーズンであるが17歳で見事トップチームデビュー。
U17W杯では3ゴール2アシストの大活躍でチームを初のワールカップ優勝に導くととも、個人でも大会最優秀選手賞を受賞。
その年代ではフォーデンが最も高く評価されていて、ぶっちぎりのエースだった。
その1ヶ月後、自信に満ち溢れたまま17歳でチャンピオンズリーグデビューを果たす。
速すぎるステップアップに本人は次のように語っている。
本音を言うと、慣れるまで一年くらいかかった。ファンのような気分だった。
dazn football freaks
その後、シティでプレミアリーグ連覇を果たす。
もちろんフォーデンはアカデミー出身であるので、エディハドスタジアムのボールボーイをやっていて多くのシティの伝説をピッチレベルで見てきた。
本人は今でもボールボーイ時代に見ていたアグエロと一緒にプレーしているのが信じられないとか。
またコンパニがダービーマッチで決めたヘディングシュートの場面もフラッグ付近にいて、信じられない経験だったと語っている。
シティでのフォーデン
2019年4月17日、マンチェスター・シティはUEFAチャンピオンズリーグ準々決勝2ndレグ、トッテナム戦に4-3で勝利したが、0-1で敗北した1stレグとのトータルスコア4-4となり、アウェーゴールの差で準々決勝敗退となった。
その敗退はマンチェスター・シティの面々に多大なショックを与えたが、翌朝のトレーニングでフォーデンは1人、はつらつとしたプレーを見せた。
その姿を見たジョゼップ・グアルディオラ監督は、3日後に控えるトッテナムとのリーグ戦でフォーデンを先発させることを決めたという。
結果としてそのリーグ戦では、シティは前半5分にフォーデンが決めた1点を守り切り、勝利した。
ダビド・シルバが2019-20シーズンを限りでマンチェスター・シティを去ると発表されたことに際して、彼の後釜を探しているという報道もあったが、グアルディオラ監督は「代わりの選手を獲るつもりはない。ダビド・シルバが去る時が来れば、チームの新たなマジシャンが誰なのかは、今からはっきりしている。既にシティにいるんだ。ここで育った、我々の仲間さ。素晴らしいプレーを見せてくれるはずだ。プレミアリーグで最高の選手の1人になる。」とフォーデンについてコメントした。
グアルディオラ監督はフォーデンとシティの契約が2023-24シーズンまで延長された際、「フォーデンの新契約は偶然の産物なんかじゃない。言っておこう。絶対に放出があり得ない選手は彼だけだ。彼だけは、どんなことがあっても手放さない。移籍金5億ポンドでもあり得ない。フィルは誰にも渡さない。フィルこそ、シティだ。」と述べている。
グアルディオラ監督は、2019年のプレシーズンの際、「選手としても、監督としても、自分が見てきた中で最も才能に恵まれている。」とフォーデンのことを評している。
2021年1月26日に行われたプレミアリーグ第20節のWBA戦で、シティでの公式戦通算100試合出場を達成した際、「いつも楽しく観戦し、サポートしてきたクラブで100試合も出場できたなんて感慨深いよ。アカデミーで育ったことは良かったと常に考えていた。全ての試合で100%の全力を出し切り、持てる情熱を全て捧げる。それが僕が実感していることなんだ」、「自分をトップチームに引き上げてくれる監督が誰かなんて想像もしていなかったけど、僕が成長するためにこれ以上の人はいなかった。彼が僕の監督で嬉しいよ。すごくサポートしてくれるんだ」、「若い時期にトップチームに行けて、僕は早くに一人前の男になることができた。彼が僕の成長を促進し、試合を基から変えてくれたことで、僕はより良い選手になれたんだ」と、グアルディオラ監督への感謝を述べた。
髪色をチェンジ
EURO2020で」自身のヘアスタイルを一変させた姿を披露。
短髪は変わらずも、カラーを大胆な金色に染め上げた風貌は、EURO1996でイングランドのベスト4進出に貢献した英雄ガスコイン氏が、当時お披露目した容姿と瓜二つだ。
このイメチェン姿に海外メディアも反応。英紙「ザ・サン」は「ポール・ガスコインに敬意を表して、EURO96の時の有名な髪型を再現した。
マンチェスター・シティのスター選手は、この新しい髪型が25年前のガッザ(ガスコイン氏の愛称)のように今夏のスリーライオンズを鼓舞してくれることをファンに期待させている。
フォーデンは自身のインスタグラムのストーリーで写真に”Euro 96 vibes”とキャプションを付けている」と綴り、実際にガスコイン氏を意識した風貌にした事実にも触れている。
プレースタイル
足下の技術に優れたレフティで、トップ下やインサイドハーフのポジションを主戦場とする。
一方でドリブルやクロス精度、シュートテクニックも高く、グアルディオラ監督の下ではウイングとしても起用されている。
戦術眼と視野の広さ、優れたプレービジョンに裏打ちされたインテリジェンス溢れるポジション取りからの仕掛けの質は非常に高い。
指揮官が「出場機会が少ない時でもネガティブな顔を見せたことがない」と話す通り、若手ながら精神面で成熟している点からも、今後のさらなる成長を期待させる。
フォーデンの身体は非常に柔軟性があります。
走り方やドリブルの姿勢を見ても、他の選手とは比べ物にならないくらい美しいです。
そのため、細身にも関わらず接触しても簡単には倒れませんし、むしろ動画のように相手の力を上手く使うことができます。
まるで体にバネが入っているかのようなしなやかさです。
フォーデンはレベルの高いシティの選手の中でも秀でたテクニックを持っています。
ダブルルーレットのようにドリブルでの高いテクニックはもちろん、足に吸い付くようなトラップもできます。
フォーデンを語る上で外せないドリブル能力。
90分あたり約4回ものドリブルを施行し、成功率は72%とドリブラー並み。
フォーデンは意外にも快速で相手を緩急をつけて抜いたり、裏街道、また抜きとさまざまなドリブルテクニックを発揮する。
また縦への鋭い突破だけでなく、カットインも素晴らしい。左利きであるが、右方向へカットインすることも可能。
プレーの選択肢の多さがフォーデンの手をつけられない所以だ。
突破するドリブルだけでなくキープするドリブル、狭いエリアでのドリブルも最終手段として持っているので、もはや手のつけようがない。
フォーデンはアジリティが高く、細かいステップワークができる選手です。
身体のしなやかさを使って、グングンと勢いのあるドリブルを仕掛けていきます。
足自体はそこまで速いわけではありませんが、ストライドが大きいためDFからするとかなり嫌でしょう。
MFが本職の選手ですが、WGでも活躍することができているのはこのドリブルのおかげだと思います。
フォーデンは、鋭いターンを行うことができる選手です。
テクニックやアジリティがあるので、狭いスペースでも相手に寄せられていたとしても無理やり前を向けます。
このターンの技術は、2020年までシティに所属していたダビド・シルバを彷彿とさせます。
フォーデンは、ボールロストが少ないプレイヤーです。
残念ながらボールロスト数の正確なデータはありませんが、いくつかの試合をみてもボールロストはあまりありません。
なぜなら、フォーデンは高いボールキープ力があるからです。
相手からプレスを受けても、体の使い方が上手いから自分の懐に入られないようにしています。
そして、若さゆえのスピードも高いキープ力の理由になっています。
相手が懐に入ってくる前に、スピードを使って逃げ切ることがあります。
またフォーデンは見た目から想像できないほどの強烈なシュートを打つことができます。
この理由も身体のしなやかさが関係しており、身体をムチのようにしならせることで力を効率よく伝えることができているからです。
動画でも数個取り上げられていましたが、このミドルシュートによって多くの得点を生んでいます。
このように得点力が高いことからフォーデンは偽9番としてプレーすることもあります。
フォーデンのオフェンスに関してのあらゆる能力の高さには驚かされる。
彼のジーニアスなプレイの数々は彼自身の傑出したスキルによる選択肢の多さから生まれている。
視野が広いのはさることながら、難しい選択肢があってもそれを行える技術、プレーのキャンセル力、選択肢がない中で自ら選択肢を作れる技術と判断能力はずば抜けている。
まずは最近急激に向上しつつあるフィニッシュ精度だ。
ディフェンスの背後に回って大外でクロスに飛び込むことはフォーデンの十八番のようなプレー。
それに加え、ミドルシュートも強烈だ。
華奢な体にも関わらず、ボールの芯を捉えるので無回転気味の高速シュートを放てる。
ここ数試合は相手をシンプルなボールタッチでいなしてノールックでGKの逆をついたシュートで値千金のゴールを量産している。
またダビド・シルバのようなポジショニング力ももつフォーデン。
ダビド・シルバの大きな強みは、相手の痛いところを突くポジショニング力です。
相手の嫌がるところに、身を置ける戦術眼や読みは欧州のなかでも頭一つ抜けていると思います。
だからこそ、33歳となってもシティの不動のレギュラーとして活躍していました。
そしてフォーデンにも、シルバに似たポジショニング力があります。
試合をじっくり観て欲しいのですが、シルバの動きに似ている部分がいくつも散見されます。
例えば、スターリングが中に入ってきたらスゥーっと外に逃げたり、相手の陣形を崩そうと右往左往したり、当たり前のことかもしれませんが、その当たり前をできるのって凄いです。
まだ、荒削りな部分がありますが将来性を感じるプレーをしています。
フォーデンのヒートマップを見るとわかるように利き足と反対である右サイドにもためらいなく侵入できている。
また左サイドはフォーデンがサイドバックやウイングと多く連携していることで濃くなっている。
左SBとのワンツーなどはダビド・シルバを彷彿とさせる。
昨季のリヴァプール戦も見事なデブルイネとのワンツーで見事なゴールを決めていた。
若手選手としては考えられないほどフォーデンのプレーは成熟しており、オフ・ザ・ボールにおいても引き出しが多い。
彼が試合を通して活躍し続けられる要因にオフ・ザ・ボールの巧みさが挙げられる。
また守備も決して怠らない。
90分間プレスをかけ続けるタフさも兼ね備えており、戦術理解度も非常に高く守備時のタスクを正確にこなす。ペップも「彼は華奢だが、ファイターだ」と語っており、ハードワークを怠らない。
本人も自信を努力家であると語っており、彼の献身性のルーツはひたむきな性格からきているのかもしれない。
フォーデンは、とても素晴らしい視野を持ち、スペースに質の高いボールを供給することができるプレイヤーです。
同じ左サイドのスターリング、FWのアグエロやジェズスたちにいくつも素晴らしいパスを送っています。
まだまだ結果は出ていないですが、これから実戦経験を積んで連携が強化されれば、デ・ブライネのようにアシストをバンバンするプレイヤーになる可能性があります。
これから、どんなプレイヤーに育っていくかは分かりませんが、非常に楽しみな選手なのは間違いありません。