概要
国籍 | ![]() ![]() |
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生年月日 | 1999年1月14日(22歳) | ||
出身地 | ロンドン・キングストン・アポン・テムズ区 | ||
身長 | 185cm | ||
体重 | 80kg |
Declan Rice
ポジションはミッドフィールダー(ディフェンシブハーフ)、ディフェンダー(センターバック)。
利き足は右。
弱冠20歳にしてスリーライオンズ入りを果たしたウェストハムの新星MF。
イングランド代表だが、ロンドン生まれのライスは、アイルランド出身の祖父母を持っていたため、ユースレベルからアイルランド代表としてプレーしアイルランドのA代表でもプレーていた異色の選手。
獲得タイトル
代表
イングランド
- UEFA欧州選手権準優勝:2020
- UEFAネーションズリーグ3位:2018–19
個人
- ウェストハム・ユナイテッド・ヤングプレーヤーオブザイヤー:2016–17、 2017–18
- ウェストハム・ユナイテッド・プレーヤーオブザイヤー:2019–20
- アイルランド共和国U17年間最優秀プレーヤー:2016
- FAIヤングインターナショナルプレーヤーオブザイヤー:2018
経歴
クラブ | |||
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年 | クラブ | 出場 | (得点) |
2017– | ![]() |
132 | (5) |
代表歴2 | |||
2015 | ![]() |
3 | (0) |
2015–2016 | ![]() |
6 | (2) |
2016 | ![]() |
6 | (0) |
2017 | ![]() |
5 | (0) |
2018 | ![]() |
3 | (0) |
2019- | ![]() |
21 | (1) |
クラブ
2014年にチェルシーユースからウェストハムユースに移ったライスは、U-23リーグで力を付けた後、プレミアリーグ2016-17シーズン最終戦となった2017年5月22日のバーンリーFC戦の試合終了間際に、エジミウソン・フェルナンデスとの交代で、トップリーグ初出場。
翌2017-18シーズンの2017年8月19日のサウサンプトンFC戦で、トップリーグ戦初先発。
同シーズンは監督がスラベン・ビリッチからデイヴィッド・モイーズに交代する苦しいシーズンで、ライスは10代ながら最終ラインに定着。
チームは13位でトップリーグに残留。
2018年4月には、クラブが選ぶシーズン最優秀選手の投票に、マルコ・アルナウトヴィッチに次ぐ支持を集めた。
2017-18シーズンにはアンカーやセンターバック、サイドバックと様々なポジションをこなすユーティリティプレーヤーとして、10代選手ながらリーグ戦26試合に出場し、その評価を大きく高めた。
2018-19シーズンのマヌエル・ペレグリーニ体制では新加入のジャック・ウィルシャーらの怪我の影響もあって4-1-4-1のボランチの位置に収まる。
2019年1月12日のアーセナルFC戦では、サミル・ナスリのアシストから、プロ初ゴールを決めた。
2018-19シーズンには公式戦34試合に出場。
3年連続でウェストハム最優秀若手選手賞を獲得し、選手が選ぶ年間最優秀選手賞も受賞した。
ペレグリーニ体制で欠かせない戦力となり、そのポテンシャルの高さもあってシーズン終了後にはレアル・マドリードが興味を示すなど、案の定強豪からの関心を集めた。
この頃にはイングランド屈指の若手と認知され、マンチェスター・ユナイテッドを筆頭に多くのビッグクラブからの関心が伝えられるほどになったライス。
2019-20シーズンはここまでリーグ戦29試合に出場し、その評価額は移籍市場サイト『トランスファーマルクト』で5500万ユーロと評価されるほどになった。
代表
ロンドン出身ながら、祖父母がアイルランドのコーク出身だった関係で、代表チームはユース世代から2018年まではアイルランド代表でプレー。
U-17、U-19代表の最優秀選手に選出されるなど注目された。
2018年3月23日のトルコとの親善試合で、19歳でアイルランド代表としてフル代表デビューを果たした。
しかし、同年末にイングランド代表入りを目指すことを宣言。
2019年3月に初招集を受けた。
一方でこの代表鞍替えにアイルランド代表サポーターは激怒し、ライス自身も脅迫を受けた。
2020年11月18日、UEFAネーションズリーグのアイスランド戦で代表初得点を決めた。
2021年、UEFA EURO 2020ではレギュラーポジション得て、チームの準優勝に貢献した。
エピソード
ロンドン生まれのライスは、アイルランド出身の祖父母を持っていたため、ユースレベルからアイルランド代表としてプレーしていた。
その後ライスはA代表の試合にも3試合出場していたが、ライスは2019年2月イングランド代表を目指すこと明言。
アイルランド代表としてプレーした試合は親善試合だったため、規定上問題なく代表チームを変更した。
歴史的に複雑な関係を持つ両国間での代表チーム変更は多くの反感を買うことに。
しかし、ライスはイングランドを選択したことを後悔していないと語っていた。
この一件について、アイルランド代表監督としてライスを起用していたマッカーシー氏は落胆。
A代表の試合に出場していても親善試合であればチームの変更が可能な規定に苦言を呈した。
「(ライスの代表変更が)どのように受け止められたかって? 大不評さ。彼は(アイルランド代表として)3試合に出て、ゴールを決めて、シャツにキスしていたのに」
「選手は代表チームを選ぶことができる。もし選手がA代表の親善試合に出場していたら、イングランド、アイルランド、スコットランド、どこの国であっても、その国の代表として認識されるべきか? 私は認識されるべきだと思う」
「彼は決断を下した。私は彼の父に会いに行ったよ。彼がまたアイルランド代表としてプレーするとは思わなかった。もうイングランド代表としてプレーする方向へ道を踏み外していたからね」
「彼との電話では素っ気ない態度になってしまったよ。電話をかけ直してイングランドとウェストハムで良いキャリアを歩むように幸運を祈らなきゃならなかった。素晴らしい選手を失ってしまい本当に落胆した」
イングランドが4-0で勝利したブルガリア戦でライスは同代表4キャップ目を記録したが、アイルランドの一部ファンは同選手の決断を快く受け止めておらず、ネット上で過激な嫌がらせを引き起こした。
ライスは英ITVニュース(ITV News)とのインタビューで、ソーシャルメディアでの攻撃に関して聞かれると、「そうだね、いくつか悪質な書き込みがあった」「家まで来ると言う人もいた…。オンラインでね。いくつか詳しく話せることもあるけど、その必要はない。家族や僕自身に対する脅迫といったところだ」と答えた。
「彼らのプロフィルをクリックすると、それは架空の人物だったりするから、本当かうそか分からない」「だけど今考えてみると、本気で恐ろしいと感じたことは一度もないんだ。だって、このことに関してファンは常に嫌がらせとかをしてくるから」
「そういうことがあったら、笑ってこう考えるんだ。『いいさ、分かったよ。そのつもりならやってみるがいい』とね」
祖父母がアイルランド・コーク出身のライスは、自分よりも家族への嫌がらせの方がつらかったと認め、「きつかった。嫌がらせについては、母や父に対するものの方がこたえた」と語った。
「両親は誰よりも僕のことを心配してくれた」「僕はいつも強気だけど、末っ子だから、母はいつも心配していた。それ以外のことは特に気にしていない。とにかく、サッカーに集中しようと努力している」
マウントとの関係
デクラン・ライスといえばチェルシーでメキメキと頭角を表しているメイソン・マウントとの仲睦まじい姿を見せていることで話題になっている。
昨シーズンのロックダウン中にはライスとマウントが一緒にサッカーをしているところが写真に収められてしまい、お叱りを受けるという苦いエピソードもあった。
それに加えて、二人で仲良くFIFAをしている様子をYouTubeにアップロードするなどクラブを超えた友情を見せている。
なぜこんなにも仲がいいのかと疑問に思う方も多いだろう。
実はライスはチェルシーのユースチームに所属していたのが理由だ。
その後ウエストハムユースに移籍しているが、二人とも同じ時期をチェルシーのユースチームですごしていた。
8歳から14歳までの6年間を家族ぐるみでともに過ごした二人だが、ライスはウエストハムへと放出されてしまった。
その事実にマウントだけでなくマウントの母も悲しんでいたという。
しかし数年後イングランドのA代表で共演を果たすというドラマチックな展開を迎える結末になるのだが、、ということで疑問に対する答えは「チェルシーのユースチームに二人とも在籍していてその時から仲良しだったから」
プレースタイル
デクラン・ライスのプレースタイルを一言で表すと「潰し屋とレジスタの融合」だ。
2017-18シーズンには主にセンターバックとして起用されていたライスだが、2018-19シーズン以降は中盤の底を主戦場としている。
ただ、足下の技術とプレービジョン、縦への推進力を兼ね備えており、MFの中でも高いテクニックを有していると言える。
もちろん、プレーメーカーとしてだけでなく、本来の持ち味である守備力も非常に高く、鋭い危険察知能力とタックル技術、ボール奪取能力は非凡。
攻守両面においてチームに大きく貢献できる選手だ。
守備的な役割をこなすライスは、ボール奪取能力が高く、中盤のフィルターとして活躍しています。
身長も185㎝あり、フィジカルの強さとリーチの長さを生かしたタックルや範囲の広い守備からの素早い寄せで相手のチャンスを潰します。
ライスのプレースタイルの最大の特徴は『驚異的な読みによる』守備力だ。
ディフェンスというのは一般的に経験の蓄積による読みが鋭さを増して、上達していくものだ。
しかしデクラン・ライスは若くしてすでにディフェンスにおいてはサッカーを広く見てもトップクラスの域に達している。
一対一の強さはもちろん空中戦も強い。
インターセプト数も1試合平均2.1回と素晴らしいスタッツだ。
空中戦勝率、インターセプト数、タックル数、タックル勝率、カバー回数のどれもプレミアリーグのトップ10にランクインするという圧巻のスコアを記録している。
プレミアリーグでの一試合当たりのタックル成功数では上位に位置しており、タックルの精度の高さを表すとともに、ファールの数も少なくクリーンな印象を受けます。
守備もクリーンでイエローカードは非常に少ない。
彼のディフェンス能力の高さは観察力から来ている。
相手チームの選手の配置とボールを持っている敵選手のボールの持ち方や体の向きなどを考慮して素早くコースを消しにいく。
そして自らの間合いに誘い、スライディングタックルでボールをカットするのだ。
ピッチを広く見る視野と展開を読む力、敵の観察力を総合してライスはボールを刈り取る。
ピッチを広くカバーしているものの、ポジショニングはまず間違わない。
パス成功率もチーム内では高く、ボールを奪ってからのビルドアップも定評があるようです。
デクラン・ライスのパスはとても合理的と言える。
基本的には攻撃の際も守備の要として中盤のそこにどっしりと構えているため、ファイナルサードでのパスや縦パスはあまり多くない。
ボールを失わない、セーフティを優先したパスを出す。
また利き足は右足であるが、左足でのキックにこれといった苦手意識にないように思われて、ボールを受ける前に何度も首振りをしてその状況に応じた足を使い分けて簡単にボールを展開できる。
フリーになったり、味方をサポートするポジションの最適解を常に見つけていて現代フットボールに必要なビルドアップ能力と守備力を兼ね備えたプレーヤーとなっている。
またデクラン・ライスのパスの多くはダイレクトパスで占められている。
ライスはシンプルなプレーを好む傾向にあり、ボールを持てばまずパスを選択する。
またボール奪取回数が多く、素早く展開する必要が毎回求められるので自信のプレースタイルを改良しているようにも感じ取れる。
縦パスや切り替えから前線へのロングパスなどの精度がもっと上がると、間違いなくワールドクラスの選手になると思います。
メンタル的にも若さを感じさせないプレーヤー。
唯一デクラン・ライスの弱点として挙げられているのはプレス耐性とされる。
デクラン・ライスを見るとボールを失う回数は少ないが、プレッシャー下でのパス本数は非常に少ない。