概要
国籍 | ![]() |
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生年月日 | 1992年4月21日(30歳) | ||
出身地 | ベナルマデナ | ||
身長 | 176cm | ||
体重 | 74kg |
Isco
ポジションはミッドフィールダー(オフェンシブハーフ)。
利き足は右。
愛称は「マヒア(魔法)」。
2010年代のスペインを代表する司令塔。
レアル・マドリードなどで活躍したテクニシャン。
監督のスタイルに合うか合わないかでチーム内での序列が変わり、なかなか主役になりきれなかったファンタジスタだ。
スペイン代表においてはアンドレス・イニエスタの後継者と見做され、イニエスタはイスコを「スペイン代表の未来」と語っていた。
獲得タイトル
クラブ
- レアル・マドリード
- コパ・デル・レイ:1回(2013-14)
- UEFAチャンピオンズリーグ:5回(2013-14, 2015-16, 2016-17, 2017-18, 2021-22)
- UEFAスーパーカップ:3回(2014, 2016, 2017)
- FIFAクラブワールドカップ:4回(2014, 2016, 2017 , 2018)
- プリメーラ・ディビシオン:3回(2016-17, 2019-20, 2021-22)
- スーペルコパ・デ・エスパーニャ:3回(2017, 2019, 2021)
代表
スペイン
- UEFA U-21欧州選手権2013(2013年)
個人
- ゴールデンボーイ賞 2012
- ブレイクスルー選手賞 2012
- ブラヴォー賞 2013
- UEFA U-21欧州選手権 ブロンズブーツ 2013
- UEFA U-21欧州選手権 優秀選手 2013
経歴
クラブ
バレンシアCFの下部組織出身。
2009-10シーズンはリザーブチームであるバレンシアCF・メスタージャでプレーし、セグンダ・ディビシオンB(3部相当)で25試合に出場して1得点を挙げたが、チームはシーズン終了後にテルセーラ・ディビシオン(4部相当)に降格した。
2010年11月11日、コパ・デル・レイのUDログロニェス戦(4-1)でトップチームデビューし、この試合で2得点を記録した。
11月14日のヘタフェCF戦(2-0)では、後半28分にアリツ・アドゥリスとの交代で途中出場し、プリメーラ・ディビシオン(1部)デビューを果たした。
2010-11シーズンのリザーブチームでは15得点を挙げてセグンダ・ディビシオン復帰に貢献した。
2011年7月11日、出身地のクラブであるマラガCFと5年契約を結んで移籍した。
移籍金は600万ユーロ。
11月21日のラシン・サンタンデール戦(3-1)で移籍後初得点を挙げ、翌週のビジャレアルCF戦(2-1)でも得点した。
2011-12シーズンは32試合に出場して5得点し、4位に入ったマラガはクラブ史上初めてUEFAチャンピオンズリーグ出場権を獲得した。
2012年9月18日、FCゼニト・サンクトペテルブルク戦でUEFAチャンピオンズリーグ初出場を果たすと、この試合で2得点を挙げてチームを3-0の勝利に導き、マン・オブ・ザ・マッチに選出された。
マラガの上位進出に貢献したイスコには多くのクラブが獲得に動いた。
レアル・マドリードへの移籍が秒読みとなった際、オーナーであるシェイク・アブドゥラ・ビン・ナッサル・アル・タニは、「イスコのために、背番号22は他のどの選手も着けることはできない」と敬意を表した。
マンチェスター・シティやチェルシーが獲得に動いたが、2013年6月27日、レアル・マドリードに5年契約で移籍決定。
移籍金は3000万ユーロ(約38億円)前後と見られている。
リーグ開幕戦となるレアル・ベティス戦ではスターティングメンバーに名を連ね、1ゴール1アシストの活躍でチームを勝利に導いた。
その後も第3節のアスレティック・ビルバオ戦で2得点を記録するなど、リーグ開幕5試合で4得点を挙げて得点力を示した。
しかし、フォーメーションが4-5-1から4-3-3に代わって攻撃的MFのポジションが無くなったことや、インサイドハーフにコンバートされたアンヘル・ディ・マリアの活躍などによりベンチに座ることが多くなった。
当初は初めてプレーするポジションに苦しんだが徐々に適用を見せ、カルロ・アンチェロッティは新たなポジションでプレーするイスコをかつての教え子であるクラレンス・セードルフになぞらえて賞賛した。
2014-15シーズンはUEFAスーパーカップとFIFAクラブワールドカップのタイトルを獲得。
レアル・マドリード・カスティージャで監督を務めるジネディーヌ・ジダンは「技術的には私と同じレベルにあるように見える」と評し、スペイン紙マルカもまた「(ジダンは)サンティアゴ・ベルナベウで見ることができた最後の天才だったが、イスコの加入によって状況は変わった」と賞賛した。
2015-16シーズンより、背番号が23からマラガ時代にも背負っていた22に変更となった。
同シーズンに監督に就任したラファエル・ベニテス監督との確執が騒がれ、冬の移籍市場での移籍が報道されたが、解任されたベニテスの後任となったジネディーヌ・ジダン監督のもと、信頼を取り戻しジダン監督の初陣ではスターティングメンバーに名を連ねている。
2016-17シーズンの前半戦はレギュラー格でなかったため、冬の移籍で移籍報道が再熱したが残留を果たした。
2017年5月10日、欧州CL準決勝・2ndレグではアトレティコ・マドリードに貴重なアウェーゴールを決めて決勝進出に貢献した。
このシーズンはリーガの5年ぶり制覇とチャンピオンズリーグ2連覇に貢献した。
2017-18シーズンは序盤からスタメンとして活躍し、リーガでは30試合で7ゴールを挙げた。
2017年9月23日、第6節のデポルティーボ・アラベス戦でレアル・マドリードでの公式戦において200試合に出場した。
2018-19シーズンはシーズン開幕時こそ、新監督だったフレン・ロペテギの下で重宝されていたものの、ロペテギは2018年10月28日のFCバルセロナ戦に1-5で敗れた2日後に解任。
Bチーム監督から途中就任したサンティアゴ・ソラーリは、自身の目指すプレースタイルとイスコのプレースタイルなどが合わないことを理由に、イスコをローテーションから外すことを決断。
イスコはSNSでソラーリを批判するなど、不遇のシーズンとなっていたが、ソラーリも2019年3月12日に解任。
ジダンが監督に復帰し、イスコ自身も先発に復帰した同月16日のセルタ・デ・ビーゴ戦で、先制ゴールを決めた。
2021-22シーズン終了後にレアル・マドリードからの退団を表明。
2022年6月1日に正式に退団が発表された。
代表
2009年には2009 FIFA U-17ワールドカップに出場し、3得点を挙げてスペインを3位に導いた。
2010年にはSBSカップ 国際ユースサッカーに出場した。
2011年には、マラガでチームメイトのレシオとともにFIFA U-20ワールドカップに出場した。
コロンビアで開催されたこの大会で1得点を挙げたが、スペインは準々決勝で敗退した。
2012年2月28日、U-23スペイン代表に招集されてU-23エジプト代表との親善試合に臨んだが、この試合で出場機会はなかった。
UEFA U-21欧州選手権2013では、3得点を挙げてブロンズブーツとなると共に、大会優秀選手に選ばれた。
2012年5月15日、セルビア戦と韓国戦に臨むスペインA代表に初選出された。
2013年2月6日、カタールのドーハで行われたウルグアイ戦にて代表デビューを飾った。
2014年11月15日、UEFA EURO 2016予選のベラルーシ戦で代表初得点を挙げた。
ロシアW杯予選のイタリア戦では、シュート決定率100%(2得点)にパス成功率95%の数値を記録。
マルコ・ヴェッラッティは「メッシでもあのレベルに達していない」とコメントした。
2018年3月27日のアルゼンチンとの親善試合でキャリア通じて初めてのハットトリックを達成した。
エピソード
「メッシ」という名前のラブラドール・レトリバーを飼育している。
愛称はマヒア(魔法)。
この愛称は、レアル・マドリード加入直後にイケル・カシージャスやセルヒオ・ラモスらによって付けられた。
本人もこの愛称を気に入っており、上腕部に入れ墨を彫っている。
さらにはイスコの優しさあふれるエピソードといえばゴールパフォーマンス!
聴覚障害のある両親を持つ子供がレアル・マドリードの選手との交流イベントにやってきた時の話だ。
その子供がイスコに「もし次の試合でゴールを決めたら、あるゴールパフォーマンスをしてほしい。」というお願いをしたのだ。
そのパフォーマンスとは、手話で「愛してる」という意味を持つジェスチャーだ。
イスコは次の試合で見事にゴールを決め、そのパフォーマンスを披露した。
またイスコといえば子供との仲睦まじい姿をよく見せており、子煩悩ぶりを発揮しまくっている。
いろんなところに息子を連れて行っており、スペイン代表のお馴染みのメンバーと息子を一緒に遊ばせている。
イスコの息子さんも端正な顔立ちで可愛すぎる!!
SNSでもイスコが子供に大量のボールをぶちまけるなんてシーンも。
プレースタイル
重心の低いドリブルからスルーパスを繰り出すスペインの司令塔。
判断力にも長けており、周囲を活かしたプレーも優れている。
イスコの最大の特徴はボールコントロール。
まるでボールが足に吸い付いているようなプレーを見せる。
持ち前のテクニックを活かし、複数の相手を引きつけながらボールをキープし、チームメイトにパスを送り何度もチャンスを演出した。
日本代表の久保建英はマドリーの練習に参加した時、最も凄いと思ったのはイスコとコメント。
『良い選手だというのは知っていたけど、一緒に練習をしてみると信じられないほどだと分かった』とイスコを絶賛した。
強さと技術を併せ持ち、俊敏さやポゼッションはセルヒオ・アグエロに、プレーのヴィジョンやボールコントロール、パスの技術などはジネディーヌ・ジダンに例えられる。
彼の特徴に挙げられるのが、その優れたボールコントロール能力です。
足にボールが吸い付いているようなプレーを見せる、優雅なテクニックの持ち主です。
その技術を生かしてドリブルで仕掛け、相手ディフェンダーを剥がし次のプレーに繋げるのが彼の得意なプレーです。
個人での打開力が高い選手と言うことができます。
身体能力としてのスピードはそこまで速くはないと思いますが、タッチの細かいドリブルと深い切り返しに付いていくのは至難の業でしょう。
時には2~3人の相手に囲まれてもボールを奪われないテクニックは大きな魅力。
トリッキーなフェイントやトラップもよく繰り出してスタジアムを沸かせます。
イスコのドリブルは重心が低く、細かいタッチで相手を翻弄する。
イスコは抜き去るドリブルというよりも、いなしたりキープするドリブルを得意としている。
簡単なボディフェイント、リアルなシュートフェイント、また抜き、シザース、エッジターンなどとバリエーションも豊富。
また土壇場の時のアイデアも豊富なので見ていて楽しい選手だ。
そういった点からしても、相手を抜くだけでなくタメを作れるのは見逃せないポイントです。
彼がキープをすることで相手の気を引いて味方が動く時間と余裕が生まれます。
ボールを持ちたがる選手なので、球離れがあまり良くありません。
テンポよく攻撃したいチームには向かないかもしれませんね。
小気味良いパス回しに良くも悪くもワンクッション置いてしまうイメージでしょうか。
監督によって好き嫌いがはっきり分かれそうな選手です。
イスコはそのボールコントロールが最大の魅力ではありますが、ドリブルで敵陣を引っ掻き回してからのパスも良いものを持っています。
複数の相手の注意を引きつけながらボールを持ち、空いた味方にボールを送れるのは大きいです。
イスコは長短のパスを使い分けることができる選手で、レアル・マドリード仕込みのサイドチェンジももちろんできる。
スルーパスもトップレベルで味方のスピードを全く緩ませない。
またパスの場面でもアイデア豊富で、イスコは体幹が強いため多少体制が崩れていても相手のまた抜きや意表をついたパスで曲面を打開してしまう。
2014-15はリーグ戦で9アシストと、なかなかの数字を残しています。
特に、引いて守る敵を相手にするときは彼のように良い意味で面倒なプレーができる選手が違いを生むものです。
遅攻で生きやすい選手と言えるでしょう。
キックの技術自体が高いイスコは、得点力もなかなかのものをもっています。
2016-17はリーグ戦で2ケタゴールも記録しています。
基本ポジションを考えると良い数字です。
フリーキックなどでのミドルシュートでも強烈なボールを蹴ることができ、もちろんエリア内まで進入してシュートに持ち込むこともあります。
ストライカーではないのでゴール前での冷静さは際立ったほどではないかもしれませんが、それでもゴール付近で何か魔法を見せてくれそうな選手です。
イスコはオフ・ザ・ボールにも優れている。
間で受ける技術に優れていて、ライン間でボールを引き出すこともできる。ダイアゴナルランも得意としており、ライン間からぬるっと抜け出すことが多い。
抜け出しのタイミングとディフェンスに捕まらない技術はおそらく天性のものだろう。
イスコはペナルティエリア奥深くのポケットにも頻繁に侵入する。
彼のボールを引き出すための動きによって相手陣形が大きく崩れ、結果として素晴らしいフリーランニングだったとされるのだ。
ボックス内のスペースを消してくるチームに対しても、ボックスの外からコントロールカーブウィ狙うなどとプレーの引き出しが多い。
イスコのオフ・ザ・ボールで味方のためにスペースを開けたり、相手を釣る動きは考えて行っているのか、直感的に行っているのかはわからないが、積極的にプレスをかけるチームにはイスコのランニングが曲面打開に大きく役立っている。
また、攻撃面だけでなく守備も含めてチームに貢献する。
イスコの明確な弱点として挙げられるのが、ボールが持てない時にボールをもらいに降りてきすぎる悪癖だ。
イスコの強みはボールを持っているときに一番発揮されると本人もわかっているのだろう。
自身が相手の戦術やトップクラスのディフェンダーによって消されてしまうと、ディフェンスラインまでボールをもらいに受けてしまう。
すると攻撃の選手がいてほしいところにいてくれない問題が発生する。
この問題はC・ロナウド在籍時にはあまり明確化しなかったが、退団以降は浮き彫りになってしまった。
C・ロナウドは必ずクロスボールや裏抜けの際にはいるべきところにいてディフェンダーと駆け引きをしてくれる。
その場合はフィニッシュに人が絡めるのだが、ロナウド退団以降はペナルティボックス内に人がいないという現象が度々発生するようになってしまった。
ましてやペナルティエリアにはあまり飛び込まないイスコを起用すれば、さらにペナルティエリアにどれだけ人が入れるのかの計算が立たない。
世界レベルのウインガーに比べてスピードが少し不足していることも弱点であろう。
カウンターの時に裏へ抜けるも相手に後ろから追いつかれてしまう場面が度々ある。
イスコは非保持が長い試合では消えてしまう傾向にある。
イスコには明確にフィットするサッカーとしないサッカーが存在しているのだ。