概要
国籍 | ![]() ![]() |
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生年月日 | 1991年4月11日(31歳) | ||
出身地 | ![]() |
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身長 | 174cm | ||
体重 | 70kg |
Thiago Alcântara
ポジションはミッドフィールダー(センターハーフ)。
利き足は右。
父親はブラジル代表で1994年W杯の優勝メンバーだったマジーニョで、弟はブラジル代表のラフィーニャというブラジルのエリートサッカー一家の出身。
しかし代表はスペイン代表を選択。
バルセロナやバイエルン、リヴァプールで活躍するゲームメイカー。
獲得タイトル
クラブ
- バルセロナ
- FIFAクラブワールドカップ:2回 (2009, 2011)
- UEFAチャンピオンズリーグ:2回 (2008-09, 2010-11)
- UEFAスーパーカップ:2回 (2009, 2011)
- プリメーラ・ディビシオン:4回 (2008-09, 2009-10, 2010-11, 2012-13)
- コパ・デル・レイ:2回 (2008-09, 2011-12)
- スーペルコパ・デ・エスパーニャ:3回 (2009, 2010, 2011)
- バイエルン・ミュンヘン
- FIFAクラブワールドカップ:2013
- UEFAスーパーカップ:2013
- ブンデスリーガ:7回 (2013-14, 2014-15, 2015-16, 2016-17, 2017-18, 2018-19, 2019-20)
- DFBポカール:4回 (2013-14, 2015-16, 2018-19, 2019-20)
- DFLスーパーカップ:3回 (2016, 2017, 2018)
- UEFAチャンピオンズリーグ:2019-20
- リヴァプール
- EFLカップ : 2021-22
- FAカップ : 2021-22
- FAコミュニティ・シールド:2022
代表
- U-17スペイン代表
- UEFA U-17欧州選手権:2008
- U-21スペイン代表
- UEFA U-21欧州選手権:2回 (2011, 2013)
個人
- UEFA U-21欧州選手権 大会MVP : 2013
- FIFA FIFPro男子ワールドイレブン:2020-21
- PFA年間ベストイレブン :2021-2022
経歴
クラブ
父親マジーニョがイタリア・セリエAのクラブでプレーしていた関係でバーリ生まれである。
イタリアで生まれたチアゴは、父マジーニョがプロ選手だったことでブラジルとスペインを転々とするなど、若くして様々な環境を経験している。
ブラジルではフラメンゴの育成組織でプレーしていた。
マジーニョが現役を引退し、かつてセルタでプレーした時に過ごした町ビーゴで暮らすようになってからは、地元のUrecaに所属。
ビーゴに上手い少年がいるぞと評判を呼び、バルサスカウトの目にも留まったのだった。
弟のラファと共にラ・マシアに入寮したのは2005年、14歳の時。
トップデビューがその4年後であるから、成長ぶりが非常に順調であったことが判る。
カデッテからフベニール、そしてバルサBへとステップアップしたティアゴは、Bチーム選手となった2008/09シーズンにさっそくトップデビューも果たしている。
いよいよ本格的にトップチームに参加するようになっていったのは2010/11シーズンのことで、グアルディオラは彼を公式戦17試合で起用。
ただしプレーすることが重要との観点から、途中からはルイス・エンリケ率いるBチームに専念し、クラブ最高成績である3位フィニッシュに貢献した。
そして晴れて2011/12シーズンより、ティアゴは正式にトップチームへと昇格する。
同年にはセスク・ファブレガスが加入したことで出場機会の減少も心配されたが(背番号4も譲った)、ペップ・グアルディオラはチアゴも積極的に起用し(45試合に出場)、両選手の共存が可能であることを証明。
外野の議論を収束させた。
しかしティト・ビラノバがチームを指揮する2012/13シーズン、問題(ティアゴ・ケース)が発生する。
チアゴの試合出場が減少し、出場率が60%に満たなかったことで、契約解除金が9,000万ユーロから1,800万ユーロに大減額される事態が発生したのだ。
もっと試合に出たいチアゴの元に、ペップが新監督となったバイエルンがオファー到着。
シャビとイニエスタ、セスクがいるバルサで先発になるのは困難と判断したアルカンタラ長兄はこれを受け入れ、ドイツへと去ることになったのだった。
2013年7月27日のDFLスーパーカップ、ボルシア・ドルトムント戦でバイエルンでのデビューを飾り、8月17日のアイントラハト・フランクフルト戦でブンデスリーガ初出場を記録。
12月21日、FIFAクラブワールドカップ決勝のラジャ・カサブランカ戦で移籍後初ゴールを決めて優勝に貢献した。
2014年1月29日のVfBシュトゥットガルト戦では後半アディショナルタイムに、決勝点となる移籍後リーグ戦初得点を挙げた。
2月2日のアイントラハト・フランクフルト戦では185回のボールタッチと159本のパス成功を記録し、ブンデスリーガ記録を塗り替えた。
2014-15シーズン、4月5日、リーグ戦第27節のボルシア・ドルトムント戦で怪我から復帰を果たした。
4月15日、チャンピオンズリーグ準々決勝FCポルト戦1stレグでゴールを決め、2ndレグの試合でも先制点を決め、バイエルンの逆転準決勝進出に貢献した。
2015年8月、2019年まで2年間の契約延長となる新たな4年契約を結んだ。
2015-16シーズン、3月16日、UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦2ndレグのユヴェントスFC戦では後半から途中出場し、延長戦で貴重な逆転ゴールをあげてベスト8進出に貢献した。
2017-18シーズン、11月23日に筋肉系の問題で離脱し、2018年2月17日のVfLヴォルフスブルク戦で復帰を果たした。
4月4日のチャンピオンズリーグ準々決勝セビージャFC戦での1stレグではゴールを決め勝利に貢献した。
2018-19シーズン終了直前にはグアルディオラが獲得を希望しているとも報じられた。
2019-20シーズン、リヴァプールFCへの移籍が報道されている中、チャンピオンズリーグ決勝のパリ・サンジェルマンFC戦では先発出場して優勝に貢献。
シーズン終了後には再びリヴァプール入りの可能性が報じられた。
2020年9月18日、プレミアリーグのリヴァプールFCに完全移籍した。
契約期間は4年。
背番号はバイエルン時代と同じ6番。
移籍金は推定2500万ポンド(約34億円)とされている。ユース時代も含めイングランドでプレーするのはこれが初となる。
9月20日、第2節のチェルシーFC戦では途中出場からデビューを果たし、パスを75本成功してリーグ新記録をいきなり出した。
しかし、10月17日のエヴァートンFC戦の試合終盤にリシャルリソンから激しいタックルを喰らい、重傷を負い長期離脱を強いられた。
5月8日、第35節、サウサンプトン戦で移籍後初ゴールを挙げて勝利した。
2021-22シーズン、リーグカップ決勝でチームは延長PKでチェルシーFCを破り優勝したが、チアゴは先発予定でありながら、試合直前の負傷で欠場した。
代表
ユース世代から中心的存在。
2011年夏のU-21ユーロでは主力となってスペインの優勝に大貢献した。
スイスとの決勝戦では、鮮やかなフリーキックを決めている。その勢いで9月にはフル代表デビュー。
カピタンとして臨んだ2013年夏のU-21ユーロでは、再び決勝戦で、今度はハットトリックの大活躍。
2014年ワールドカップは怪我のため出場ならず。
2018年、2018 FIFAワールドカップグループリーグ2試合に出場した。
2021年3月24日、UEFA EURO 2020に臨むスペイン代表に選出された。
エピソード
父親のマジーニョはサッカーブラジル代表として1994 FIFAワールドカップ優勝経験を持つ。
母親のバレリア・アルカンタラはかつてバレーボールの選手だった。
弟のラフィーニャもブラジル代表でプレーするプロサッカー選手。
従兄弟のロドリゴ・モレノ・マチャドもリーズ・ユナイテッドFCでプレーするプロサッカー選手である。
世の中には「二世」として生まれながらその才能を活かしきれない選手も多い。
チアゴはそれをどう乗り越えてきたのかという質問について以下のように話し、当初からライバルとして見ていたと語った。
(父親はブラジル代表の名選手マジーニョ。子供の頃からロマーリオやベベトとも知り合いだった)
「僕にとっては普通のことだったね。小さな頃から、自分のことをサッカー選手だと思っていた。頭のなかでは彼らもライバルだったね。
『彼らよりもうまくなりたい』と。多くの子供たちは彼らと写真を取りたがっていた。しかし、僕はそうじゃなかった。
彼らがやっていることを見たかった。そして、彼らよりも上手くやりたいと思っていた」
(ロマーリオよりもうまくなった?)
「あんなゴールを決めるのはムリだよ!(笑)彼はあのポジションで最高の選手だ。
父は素晴らしい選手だった。それはピッチ上で見せるものだけじゃなかった。ピッチの外でもね。常に体をケアしていた。
僕にとってはそれが重要だった。彼の練習をよく見ていた。そして、『僕もあれができるはずだ』と自分に言い聞かせていた。
そして、思い描いた全てのことが出来た。これは自分にとっての障壁にはならなかったよ。
もっと重要なのはプロフェッショナルとしての態度という点だ。ワールドカップ勝者としての、普段の振る舞いだ。
友人やチームメイトとね。彼がどれだけ上手くやっていたか。それはとても重要なんだ」
(イタリアで生まれ、ブラジルで育ち、スペインへ移住したね?)
「僕はスペイン人だと思っているよ。友人はスペイン人だし、妻もそうだ。僕は人生の殆どをスペインでプレーしてきたしね」
(弟のラフィーニャとともに、マジーニョの息子というプレッシャーを感じていた?)
「いいや。僕はいつも楽しむためにサッカーをしてきたが、結局その中でも責任を持っていた。今もそうだ。楽しみの中に責任がある。
僕たちは最初『マジーニョの息子たち』だったが、数年後にはラフィーニャとチアゴになったよ」
プレースタイル
チアゴ・アルカンタラは、「シャビの後継者」「イニエスタの後継者」と言われています。
両者と同じバルセロナで育ち、プレースタイルもバルサイズムが感じられるからです。
シャビやイニエスタのレベルにはありませんが、グランダーパスやロングパス・スルーパスはセンスの高さを伺わせるし、ドリブルも細かいボールタッチで相手DFをスルスルと抜いていくこともあります。
チアゴは、スペイン人らしいテクニックがあるサッカーをします。
ちなみに日本代表FW武藤はバイエルンと対戦したとき「(チアゴに)プレスに行っても逆を突かれてしまう」とコメントを残しています。
それほど、キープ力と巧みなボールコントロールがあるといえるでしょう。
チアゴはパス精度が非常に高いプレイヤーであるため、ビルドアップには欠かせない選手です。
最終ラインからボールを受けて、パスでさばいていくのも良し、自身のドリブルスキルで縦へ押し上げてもよし、逆サイドへロングパスをしても良し、豊富な選択肢を持った選手です。
相手を困らすことができます。
18-19シーズン(2019年2月19日時点)のパス成功率は93%とリーグ4位。
その高いパス精度を活かし、バイエルンの攻撃を組み立てます。
チアゴはファーストタッチで相手をかわし、瞬時に前を向く能力に長けています。
サッカーは前へ進むゲームですので、すぐに前を向いてプレーをするのは重要です。
チアゴはそこから、パスも出せるしドリブルで持ち運ぶことができます。
相手からしたらゴールに迫ってくるため、嫌な選手なのは間違いありません。
プレーを見れば、チアゴのファースタッチの美しさがわかるシーンが多数あります。
中盤の底で攻撃のコントロールをするチアゴは、チームがボールを奪われたあとにはすぐに対処をする必要があるポジションの選手です。
わりかし小柄なチアゴは、身体を当てにいくショルダータックルというよりスライディングで勝負にいくことが多い印象があります。
チアゴはスライディングなどボールの奪い合いにおいて、守備でも球際でハードに戦える選手ですね。接触プレーを恐れないため、アンカーの位置にいると心強い。
配球はもちろん、デュエルもハードにこなします。
パスのアイディアも素晴らしいですし、イニエスタのような細かいボールタッチでドリブルをすることができるチアゴ。
彼に欠点や課題がないかと思われがちですが、意外と酷評・批判されることがあります。
- 集中力がない
- 判断力が遅い
- ビッグマッチに弱い
などなど、言われることが多々あります。
特に、集中力の無さは昔から言われています。
イニエスタやシャビ級になるためには、高い集中力を保ち、ビッグマッチでも光るプレーをすることが課題といえるでしょう。