概要
国籍 | ![]() ![]() |
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生年月日 | 1991年3月29日(31歳) | ||
出身地 | パリ | ||
身長 | 168cm | ||
体重 | 68kg |
N’Golo Kanté
ポジションはミッドフィールダー(ディフェンシブハーフ)。
利き足は右。
ニックネームは「ラット(ネズミ)」。
レスターやチェルシーで活躍するフランス代表のミッドフィールダー。
2015-2016シーズンのレスターの奇跡のプレミア制覇の立役者。
2020-21シーズン、チェルシーでチャンピオンズリーグを制覇した。
フランス代表として2016EURO準優勝、2018年ロシアワールドカップ優勝のメンバーの一人。
プレースタイルは縁の下の力持ちだが数多くのタイトルを獲得してきた優勝チームの勝利の立役者である。
獲得タイトル
クラブ
- レスター・シティFC
- プレミアリーグ:2015-16
- チェルシーFC
- プレミアリーグ:2016-17
- FAカップ:2017-18
- UEFAヨーロッパリーグ:2018-19
- UEFAチャンピオンズリーグ : 2020-21
- UEFAスーパーカップ: 2021
- FIFAクラブワールドカップ : 2022
代表
- FIFAワールドカップ : 2018優勝
- EURO:2016準優勝
個人
- PFA年間ベストイレブン:2回(2015-16、2016-17)
- PFA年間最優秀選手賞:2016-17
- FWA年間最優秀選手賞:2016-17
- プレミアリーグ最優秀選手賞:2016-17
- フランス年間最優秀選手賞:2017
- 海外年間最優秀フランス人選手賞:2回(2017、2018)
- FIFA/FIFProワールドイレブン:2018
- UEFAヨーロッパリーグ優秀選手賞 2018-19
- UEFAチャンピオンズリーグ最優秀MF賞 : 2020-21
- UEFAチャンピオンズリーグチームオブザシーズン : 2020-21
経歴
クラブ | |||
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年 | クラブ | 出場 | (得点) |
2011-2013 | ![]() |
38 | (3) |
2013-2015 | ![]() |
75 | (4) |
2015-2016 | ![]() |
37 | (1) |
2016- | ![]() |
209 | (13) |
代表歴 | |||
2016- | ![]() |
49 | (2) |
クラブ
10歳の時に教師に勧められサッカーを始め、2001年に入団したシュレンヌのユースで9年間を過ごした。
2010年にブローニュのユースへ移籍。
2012年5月18日に行われたリーグ・ドゥのASモナコ戦でトップチームデビューを果たしたが、クラブはシーズンを19位で終えたため、フランス全国選手権(3部)への降格を余儀なくされた。
2012-13シーズンには主力選手として37試合3得点を記録し、評価を高めた。
2013年にリーグ・ドゥに所属していたカーンへ移籍。
2013-14シーズンには38試合に出場し2得点を挙げ、カーンのリーグ・アン昇格に貢献した。
2015年8月3日にレスター・シティへ移籍が決定し、4年契約を結んだ。
移籍金額は公表されていないが、800万ユーロと報じられた。
2015年11月7日にキング・パワー・スタジアムで行われ、2-1で勝利したワトフォード戦でプレミアリーグ初ゴールを記録した。
カンテは多くのタックル数やインターセプト数を記録し、レスター・シティにおける安定した活躍は多くの解説者から称賛され、2015-16シーズンのレスターのプレミアリーグ初優勝(レスターの奇跡)の要因の一つであると考えられた。
また活躍が認められ、プレミアリーグの年間ベスト11に選ばれた。
2016年7月16日、チェルシーに5年契約で完全移籍することが発表された。
移籍金は約3200万ポンド(約44億3000万円)とされている。
古巣レスターとの初の試合ではマン・オブ・ザ・マッチに選ばれる活躍を見せ、10月23日のマンチェスターU戦にてチェルシーでの初ゴールを決めた。
2017年4月には、2年連続のプレミアリーグの年間ベスト11に選出され、PFAの年間最優秀選手賞、FWA年間最優秀選手賞をダブル受賞する程の活躍をみせ、チェルシーの2年ぶりとなるリーグ優勝に貢献した。
なお、カンテにとっては移籍を挟んで別チームでの2年連続プレミアリーグ優勝となった。
18-19シーズンは、新監督マウリツィオ・サッリの戦術により、アンカーのポジションにはパスの捌きが特徴である新加入のジョルジーニョが据えられたため、カンテはマテオ・コヴァチッチやロス・バークリーと組んで1列前のポジションで起用されることとなった。
プレミアリーグ開幕戦となったハダースフィールド戦ではチェルシーのシーズン初の得点となる先制ゴールを決め、開幕戦の勝利を助けた。
慣れない新ポジションでのプレーとなったが、リーグ戦通算36試合に出場し、4得点を記録した。
またUEFAヨーロッパリーグ優勝に貢献し、ヨーロッパリーグ優秀選手賞にも選ばれた。
2019-20シーズン、9月22日リヴァプール戦で決めたゴールが月間最優秀ゴールにノミネートされた。
11月23日のマンチェスター・シティ戦でチェルシーでの150試合出場を達成、ゴールも決めたが、試合には敗れた。
2020-21シーズン、UEFAチャンピオンズリーグ決勝のマンチェスター・シティFC戦では攻守に渡りMVP級の活躍で優勝に貢献した、上記の活躍により、2021年のバロンドール投票結果で5位となった。
代表
アンダー世代ではフランス代表、マリ代表ともに招集された経験はなかったが、レスターでの活躍が認められ、ディディエ・デシャン監督によって2016年3月にフランス代表に初招集。
2016年3月25日に行われたオランダ戦で代表デビューを果たし、4日後の3月29日に行われたロシア戦で代表初得点を記録した。
UEFA EURO 2016に出場、決勝ではベンチとなり出場機会は無かった。
2018 FIFAワールドカップロシア大会にも出場、全試合に出場し、決勝のクロアチア戦では、前半途中にイエローカードを受け、更に体調不良やルカ・モドリッチとのマッチアップに苦慮した影響で後半途中交代となったが、フランスのワールドカップ優勝に大きく貢献した。
エピソード
非常にシャイな性格で、2018ワールドカップの優勝セレモニーでは自分からトロフィーを触りに行くことが出来なかった。
11歳の時に父親を、2018年のロシアW杯開幕前に兄を亡くしている。
ブローニュ在籍時、クラブの練習にはスクーターか徒歩で通っていた。
のんびりとした性格でマイペースなところもあり、真面目な人柄から意外とも思われるが練習への遅刻が多い。
マウリツィオ・サッリ監督時代にはチーム内で最も罰金が多かったとチームメイトが明かしている。
しかし、遅刻が1-2分と微々たるものであったり、乗ってきた電車の遅延が理由であったりすることから、笑って許されている。
ニックネームは「ネズミ」
2016年7月にチェルシーに加入したカンテは、間も無く「ラット(ネズミ)」というニックネームを付けられた。
当時チェルシーにいたFWエデン・アザール(2012-2019・現レアル・マドリード)が名付けたことが知られている。
アザールはその理由について「僕たちが安心してライバルを突破しようとできるのは、ボールが奪われてもすぐ後ろにいるカンテが取り戻してくれると信じているからだ。なんて素晴らしいプレイヤー。どこにでも現れる。ネズミみたい。精神力も人間性もトップレベルだ」と評価の高いコメントをしている。
敵に気づかれずどこにでも現れ、ボールを奪ってから去る。
カンテの特徴は、確かに食べ物を狙うネズミに例えられても不思議ではない。
税金ともきちんと向き合う会計士
2012年にブローニュ(当時フランス2部)でプロデビューを果たしているカンテ。
その前は同クラブのセカンドチームに所属しプロになれる保証もなかったため、会計士の資格を取得している。
当時の状況についてカンテはこう語っている。
「ブローニュのセカンドチームがフランス6部に所属していて、プロになれるかどうかわからなかった。サッカーで生きていけるかどうかが不安で、18歳で高校を卒業した後に2年間会計の勉強をしたんだ。トップチームに上がった時にプロ契約を結んで勉強をやめたが、一応は会計士だ。今はサッカーに集中しているけどね」
会計士としてのプライドも半端ではない。
『フットボール・リークス』の調査によれば、カンテは2016年のチェルシーに加入する直前、タックス・ヘイブン(租税回避地)で知られるジャージー島に設立された会社で税金の支払いを逃れる道を打診されていたが、あっさり断ったと言われている。
ランニングで練習に通う!?
2015年8月にレスター・シティに移籍して4年契約を結んだカンテ。
移籍して間も無くの頃、車を購入せずに毎日練習場までランニングしようとしていたという。
当時から既にレスターを支えていたFWジェイミー・バーディがこう明かしている。
「エンゴロ(カンテ)が『練習場にランニングで通うことを真剣に考えているんだけど、どう思う?』って聞いてきたんだ。それは自分にもう少し負荷をかけたトレーニングを課したいという理由で思いついた案のようだったけど、僕たち全員がビックリして『それはやめて!』って止めたよ」
このアイディアが却下されたカンテは車を購入。
しかしチームメイトが乗っているような超高級車ではなく、彼が選んだのはシンプルなミニクーパーだった。
今はメルセデス・ベンツの車に乗っているようだが、ミニクーパーは処分してない。
母国フランスに運んでもらい、自宅に戻る時に利用しているようだ。
飛行機事故に遭った元同僚の捜索に協力
2019年1月21日の出来事。
2015年にカーン(フランス1部)でカンテのチームメイトだったエミリアーノ・サラが、飛行機事故に巻き込まれた。
ナント(フランス)からカーディフ・シティ(イングランド)への移籍が決まったサラが、カーディフに向かうために搭乗した飛行機が、イギリス海峡のチャンネル諸島ガーンジー島の北部約20キロ付近で消息不明に。
海上では複数の浮遊物が発見されるも搭乗者を示すものは見つからず、警察の捜索は打ち切られた。
捜索打ち切りの判断に納得がいかなかった人々が募金を集め始め、カンテは経済的に大きく貢献したという。
それによって捜索は再開した。
同年2月3日に1人の遺体が発見され、4日後それがサラだったことが判明した。
プレースタイル
世界最高峰のアンカープレイヤー。
ピッチの広範囲をカバーする圧倒的な運動量を持ち、90分間走っても質が落ちない体力を持つ守備的ミッドフィールダー。
幼い頃から、圧倒的な体力を誇っていた。
DFでは無い上に、体格も小柄であるが、ボール奪取能力に非常に長けており、その技術は世界一とも称される。
体の使い方が上手く、体格からは想像もできないほどのプレス力を誇る。
また、抜かれた時の切り替えが非常に速い。
彼の特徴に挙げられるのは、中盤で見せるボール奪取能力です。
体格的アドバンテージがないにもかかわらず、カンテは中盤で圧倒的な存在感を発揮します。
まず、前への出足がすごく早いです。
味方がボールロストすると即座に相手のボールホルダーに寄せていきます。
前に出ていくときは確実に相手を潰してくれます。
その行く、行かないの判断にも見事なものがあります。
チャレンジして避けられると中盤に大きな穴をあけてしまいますが、カンテは上手にジャッジしてくれる選手です。
ボールを相手から奪う際には肩でぶつかるよりも、ボール自体を突っついて奪うことが多いです。
小柄ですから、自分の身体的特徴を理解した上でプレーしている印象です。
また、読みをきかせたインターセプトも上手です。
カンテは周囲の状況を見てボールが入ると危険な相手を常に把握しているため、効率的にボールを回収できるのでしょう。
カンテは中盤の真ん中に位置することが多いですから、攻守への高い貢献を求められます。
自陣から敵陣の深い位置までカバーしなければなりません。
中盤のサイド、そして自陣のゴールライン深く、攻撃の際には相手陣内のペナルティエリアまで動いてくれます。
この行動範囲の広さが魅力的です。
彼は試合を通して動き続ける圧倒的なスタミナを備えています。
涼しい顔でピッチを試合終了まで走り回ってくれますから、頼もしい限りです。
ただ、攻守ともに動きが多いために4-3-3のアンカー、中盤の底でドッシリ構える必要があるポジションは穴を開けてしまうため向いていないと見ることもできます。
時にはゴール前まで駆け上がります。
攻撃面においてもキープ力やパス等の質が高く、相手からボールを刈り取ったあと自ら運んでカウンター攻撃の起点となり、フィニッシュにまで絡むことができる。
ドリブルによって個人で打開したり鮮やかなスルーパスを披露することが多いわけではありませんが、長短のパス繋ぎは安定しています。
守備力に優れたカンテは自分自身でボールを奪うことが当然多いです。
その後はカンテからパスが展開されることになりますから、堅実なパスさばきは重要な能力です。
得点とアシストは際立って多くはありませんが、チームのため縁の下の力持ち的に働いてくれるナイスガイです。
また、あまりシュートを打つ場面はないが、その局面が訪れた場合は強力なシュートを打つことができる。