概要
国籍 | ![]() ![]() |
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生年月日 | 1993年11月14日(28歳) | ||
出身地 | ![]() |
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身長 | 182cm | ||
体重 | 75kg |
Samuel Um Titi
ポジションはディフェンダー(センターバック、左サイドバック)。
利き足は左。
バルセロナで活躍したフランス代表のセンターバック。
2018年ロシアワールドカップ優勝メンバーの一人。
獲得タイトル
クラブ
- オリンピック・リヨン
- クープ・ドゥ・フランス:1回 (2011-12)
- FCバルセロナ
- スーペルコパ・デ・エスパーニャ:2回 (2016, 2018)
- コパ・デル・レイ:3回(2016-17, 2017-18, 2020-21)
- プリメーラ・ディビシオン:2回(2017-18, 2018-19)
代表
フランス代表
- FIFA U-20ワールドカップ(2013年)
- FIFAワールドカップ(2018年)
経歴
クラブ
2001年からオリンピック・リヨンのユースチームに所属し、2011年にトップチームに昇格した。
2012年になるとルシアーノ・モンソンやデヤン・ロヴレンに代わって出場機会を増やした。
2016年6月30日、FCバルセロナに入団することがクラブ間で合意に至った。
8月17日のスーペルコパ・デ・エスパーニャ、セビージャ戦で公式戦デビュー 。
2017年3月4日のセルタ戦で初ゴールを記録。
その後2シーズンにわたってジェラール・ピケとコンビを組む。
2018年6月3日にはバルセロナと新たに契約を5年延長し、センターバックのファーストチョイスとしての地位を確立した。
2018-19シーズンは左膝に問題を抱えたため離脱を余儀なくされ、その間に新加入のクレマン・ラングレにポジションを奪われた。
シーズン終了後にはアーセナルが獲得に興味を示すなど、注目の銘柄として見られていたが残留した。
2019年9月には右足を打撲し、再び離脱を余儀なくされた。
2020-21シーズンにロナルド・クーマンがトップチームの監督に就任すると、退団候補筆頭と報じられた。
同じく戦力外通告を受けたルイス・スアレスやアルトゥーロ・ビダルらが移籍していく中、自身はバルセロナに残留した。
しかし厳しい状況は変わらず、開幕直後には再び負傷した。
2021-22シーズン開幕前、古巣リヨンやプレミアやリーガの複数チームから打診が届き、クラブも移籍を進めるも、現契約を全うし残留を選択。
ユヴェントスとのプレシーズンマッチやヘタフェとのラリーガ3節ではアップ時に観客から大ブーイングを浴びた。
2022年1月10日、サラリー減額で契約を2026年6月30日まで延長したことが発表された。
2022年8月25日、セリエA・USレッチェに1年間の期限付き移籍をすることが発表された。
代表
フランス代表として各年代でプレーした。
UEFA EURO 2016ではフランス代表のメンバーに大会直前に負傷し離脱したジェレミー・マテューの代役として召集された。
準々決勝のアイスランド代表戦では、累積警告で出場停止となったアディル・ラミに代わって先発出場し、代表デビューを果たした。
2017年6月13日のイングランドとの親善試合で代表初得点を挙げた。
2018 FIFAワールドカップ・準決勝ベルギー戦では決勝点を挙げ、マン・オブ・ザ・マッチに選出された。
決勝のクロアチア戦では先発し、優勝に貢献した。
エピソード
そのユムティティは2022年6月1日の練習後、車でトレーニング場を後に。
しかし、そこに若い男性ファンたちが突撃。
男性たちはいきなり車道に飛び出ると、バルセロナのユニフォームを掲げながら「ユムティティ!」と叫び、強引に車を止めさせる。
男性たちは車に無断で触り、写真を撮るなどやりたい放題。
ユムティティはクラクションを数回鳴らした後、その場を走り去ろうとするが、少し車を前に進めたところで車から降り、男性たちのもとへと歩み寄った。
悪びれる様子もなく、撮影する男性たちに対し、ユムティティは明らかに苛立ち、「こっちに来いよ。車の代金を払っているのか?なんでガチャガチャするんだよ。リスペクトの意味を知っているのか?」と直接糾弾した。
ユムティティのお叱りに男性たちはシュンとしていたが、終いにはサインを求めるなど反省はなさそう。
ユムティティはあきれた様子で車に乗り込み、その場を去っていった。
ユムティティが給料に見合った活躍を出来ていないと捉えるファンもいるかもしれないが、こうした間違ったやり方で思いをぶつけるのは、真のサポーターとは言えないだろう。
バルセロナ加入後、度重なるケガの問題もあり、当初期待されていたほどの出場機会とパフォーマンスを見せられていないユムティティ。
チーム内でのサラリーも高いことから、2022夏の放出候補として優先度が高く設定されていた。
しかし、2023年6月まで契約を残すユムティティは他クラブへの移籍を拒否すると、財政難に喘ぐクラブからの減俸の要請にも応じることを拒否していた。
非常に厳しい財政難に陥っているバルセロナは、エースであるアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが退団。
さらに、サラリーキャップの制限の関係で選手登録ができずに、キャプテン達が相次いで減俸を受け入れて選手を登録するなど、未曾有の事態に陥っているため、ユムティティの態度にファンが激怒。
カンプ・ノウではアップのためにピッチに出ただけで、激しいブーイングにさらされる事態となった。
そのユムティティだが、ジョアン・ラポルタ会長らと緊急会談を実施したとのこと。
クラブは、ケガなどもありチームに対する貢献度が低いということを伝えたという。
一方で、ユムティティは自身がケガをした際に、クラブのメディカルチームが適切な治療を行えなかったことをラポルタ会長に説明。
会談中に突然涙を流し出して訴えたという。
クラブとしてはこのユムティティの訴えを受け入れ、ロナルド・クーマン監督と話をすることを約束。
今シーズンのチームに含まれることを話し合うとした。
プレースタイル
ユムティティのプレースタイルで特徴的なのは「まさに現代型センターバックとも言える足元の上手さ」、「カバーリングのセンス」、「ボール奪取の迫力」、「スピード」です。
ユムティティはバルセロナに引き抜かれただけあって足元の技術が非常に高く、最終ラインからビルドアップによってバルセロナの攻撃の起点を作ることが可能な選手です。
さらにユムティティはセンターバックでは貴重な左利きというのも大きなポイント。
ポゼッションをしないチームではそうでもないですが、バルセロナのようにポゼッションで試合を組み立てていくチームの場合、2人(もしくは3人)のセンターバックのうち左側のセンターバックが左利きなのはパス効率に大きく関わってくる要素です。
左側のセンターバックが左利きだとポゼッション対策の定石であるディフェンダーへのハイプレスに対して外にボールを逃がしやすくなります。
さらに左から右へのサイドチェンジやロングフィードの際もそのままの姿勢で蹴る事ができます。
右利きの選手が左から右サイドにサイドチェンジを送る場合は難しいアウトサイドを使わない限り体を一旦右側に旋回する必要がありますから。
全体から見るとわずかなロスでしかありませんが、ポゼッションの効率を突き詰めるなら左のセンターバックに左利きを置くのは必須と言ってもいいです。
ユムティティはこの長所を活かしてバルセロナの攻撃を最終ラインから支えていると言えます。
そしてユムティティはセンターバック本来の仕事である守備も一流です。
特に元々サイドバックをやっていただけあってスピードが優秀なのもバルセロナ向きだと言えます。
バルセロナはポゼッションのため最終ラインを高めに設定するので後方のスペース、及び高い位置を取る左サイドバック、アルバの後ろのスペースが大きく空いている事が多いです。
そのためセンターバックには広大なエリアをカバーするスピードと読みの鋭さが要求されることになりますが、ユムティティはスピードによって、おそらくバルセロナの選手で最も大変なこの仕事を完璧にこなしています。
危機センサーの範囲も広くカバーリング時の体の向きや意識の高さも素晴らしいです。
流石アフリカンの血と表現すべきなのでしょうか、彼の類まれなるスピードと、読みの鋭さで、その広大なスペースを丸々カバーしてくれます。
さらにユムティティの身長は182cmとセンターバックの中では比較的小柄ではありますが、フィジカルは強くボールホルダーに前を向かせないまま足をしっかり相手の懐にねじ込んで奪い切れますし、セットプレーでのヘディングにも強さを見せます。
フィジカルも強く競り合いや空中戦では負けず、冷静さも兼ね備えているので、対人守備も非常に強いです。
ドリブラーに対して、自分の間合いで勝負したり、ポストプレーヤーに対しては、前を向かせないままボールを刈り取ることも得意としています。
ユムティティは非常に完成度の高いディフェンダーになっていると言えるでしょう。
そんなユムティティですが、難点もあります。
怪我の多さです。
怪我が多く安定して活躍できる機会が少ないのが難点です。
またラインコントロールにもやや難点があるといえるでしょう。