概要
国籍 | ![]() ![]() |
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生年月日 | 1992年2月23日(30歳) | ||
出身地 | サン・ジョゼ・ドス・カンポス | ||
身長 | 185cm | ||
体重 | 84kg |
Casemiro
ポジションはミッドフィールダー(ディフェンシブハーフ)。
利き足は右。
レアル・マドリードで活躍したブラジル代表のミッドフィールダーで史上屈指のアンカーポジションの選手だろう。
レアル・マドリードで獲得したタイトル数は18に及んでいる。
守備的MFながらカゼミーロが負傷離脱で欠場すると勝率が下がるというデータもあるくらいチームにとって不可欠な存在だった。
獲得タイトル
クラブ
- サンパウロFC
- コパ・サンパウロ・デ・ジュニオール:1回 (2010)
- コパ・スダメリカーナ:1回 (2012)
- レアル・マドリード
- コパ・デル・レイ:1回 (2013-14)
- UEFAチャンピオンズリーグ:5回 (2013-14, 2015-16, 2016-17, 2017-18, 2021-22)
- UEFAスーパーカップ:3回 (2016, 2017, 2022)
- FIFAクラブワールドカップ:3回(2016, 2017, 2018)
- プリメーラ・ディビシオン:3回(2016-17, 2019-20, 2021-22)
- スーペルコパ・デ・エスパーニャ:3回(2017 ,2019, 2022)
代表
- U-20ブラジル代表
- 南米ユース選手権:1回 (2011)
- FIFA U-20ワールドカップ:1回 (2011)
- ブラジル代表
- スーペルクラシコ・デ・ラス・アメリカス:1回 (2011)
- コパ・アメリカ:1回 (2019)
個人
- コパ・アメリカ・ベストイレブン : 2021
経歴
クラブ
幼少期にブラジルのサンパウロFCのトライアルに参加。当時はフォワードの選手だったが、ライバルが少ないディフェンシブ・ミッドフィールダーとして参加した。
2002年にサンパウロFCのユースチームでキャリアをスタートさせ、2010年にトップチームに昇格した。
7月25日、サントスFC戦でデビューを果たした。
8月15日、クルゼイロEC戦でプロ初ゴールを記録した。
2013年にレアル・マドリード・カスティージャにレンタル移籍、4月20日のレアル・ベティス戦でトップチームデビューした。
2013年6月、600万ユーロでの買取が決定した。
2014年7月にレアル・マドリードから後にレアルマドリードで監督を務める、フレン・ロペテギ監督率いるFCポルトへ買取オプション付きの1年のレンタル移籍をした。
両クラブ間の契約では、レアル・マドリード側にも買い戻しができるオプションが含まれていた。
2014-15シーズンのカゼミーロの活躍を受けて、ポルトは5月28日に買取オプション行使の意向をレアル・マドリード側に通達したと発表。
しかしその1週間後、レアル・マドリードが買い戻しオプションの行使を決断し、2015年6月5日にレアル・マドリードへの復帰をクラブ公式サイトで発表した。
2015年8月31日、レアル・マドリードとの契約を2021年6月30日まで延長したと発表した。
2015-16シーズンにはラファエル・ベニテスの下で一定の出場機会を得ていたものの、2016年1月にベニテスが解任されジネディーヌ・ジダン政権になると出場機会が減少。
しかし、第27節のレバンテUD戦でアンカーとしてジダン監督の信頼を掴み、以降リーグ戦の残り14試合中12試合に出場。
2016年5月28日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ・決勝のアトレティコ・マドリード戦でもアンカーとして先発出場し、PK戦の末に勝利を収めた。
2016-17シーズンには開幕戦のレアル・ソシエダ戦で先発出場を果たしたものの、9月に負傷し長期離脱を強いられた。
2017年2月15日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ・ラウンド16、1stレグのナポリ戦ではペナルティエリア外からシュートを放ち3点目となるゴールを挙げた。
4月23日のFCバルセロナとのエル・クラシコでは先制点を記録。
6月3日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ・決勝のユヴェントス戦では2季連続で先発出場を果たし、61分にミドルシュートから勝ち越しとなるゴールを挙げ、史上初となるチャンピオンズリーグ連覇に貢献した。
2017-18シーズンもジダン監督の元、信頼を勝ち取りラ・リーガ、チャンピオンズリーグ共に多くの試合でスターティングメンバーに名を連ねた。
リヴァプールFCとの3年連続となるチャンピオンズリーグ決勝にも先発出場し、史上初となるチャンピオンズリーグ3連覇に大きく貢献した。
2019-20シーズンも中盤で重要な存在であり、リーグ戦でのボール奪取数はリーグトップの294回に上り、公式戦46試合に出場して出場時間はチームトップの4080分であった。
2022年8月19日にマンチェスター・ユナイテッドへの移籍が発表された。
代表
2015年に行われたコパ・アメリカ2015のブラジル代表メンバーに招集され、ベスト8で終えた。
また2016年に行われたコパ・アメリカ・センテナリオのブラジル代表メンバーにも招集されたがグループリーグ敗退で終えた。
コパ・アメリカ2015、コパ・アメリカ・センテナリオ共にサブメンバーであったが、クラブでの活躍から2018 FIFAワールドカップ・南米予選のエクアドル戦でスタメンに抜擢される。
チッチ監督から「これほどいい選手だとは思わなかった」と評価され、以降はスタメンとして試合に出るようになった。
2018 FIFAワールドカップではスタメンとして出場していたが、累積警告で準々決勝のベルギー戦への出場を逃し、代役を務めたフェルナンジーニョがオウンゴールを献上するなどし、ブラジルもベルギーに敗れた。
コパ・アメリカ2019、グループA第3戦のペルー戦では決勝ゴールとなる先制点を決め、ブラジルの決勝トーナメント進出に貢献。
エピソード
守備的MFになった意外な理由
カゼミーロは世界有数の守備的MFとして高い評価を受けるが、少年時代はヘディングでゴールを量産するストライカーだった。
転機となったのは母国の名門サンパウロでのトライアルで、ライバルとの争いから生き残るため、ポジションを偽ったという。
スペイン紙「AS」がカゼミーロの意外な過去について報じた。
インタビューで「サンパウロでのトライアルに行った時、僕はフォワードの選手だった。僕は体が強くて、その年代では一番背が高かったから、ヘッドでたくさんゴールを決めていたよ」と少年時代はFWとしてプレーしていたと当時を振り返っている。
しかし、そこからポジション変更を決断したことがプロ選手として頭角を現すきっかけとなったようだ。
インタビューではこんなエピソードも明かしている。
「トライアルに参加したのは12、3歳の頃で、300人の選手の中から50人だけが選ばれるというものだった。その時、コーチがゴールキーパーの選手を呼ぶと、手を挙げたのは3人だけだったのをよく覚えている。フォワードでは40人くらいの子どもが手を挙げた。その時、僕は自分に言い聞かせた。『競争が激しいから僕はストライカーにはなれない』とね。ミッドフィールダーの時も同じことが起きた。その後、コーチが『ディフェンシブ・ミッドフィールダーはいないか?』と言うと、手を挙げたのは7人か8人だった。僕はそこで『OK、僕はディフェンシブ・ミッドフィールダーだ』と自分に言い聞かせた」
初任給で買ったもの
カゼミーロが初任給で初めて買ったものはヤクルトだそうだ。
幼少期は貧しくて飲むことができなかったがプロになった給料で家族の分も買ってあげたようだ。
ヤクルトにずっと憧れを持ってた少年が今や白い巨人の絶対的な主力であるのはサッカー界のロマンだ。
プレースタイル
強靭なフィジカルと圧倒的な運動量を武器に最終ライン前の防波堤となるアンカー。
的確なポジショニングから相手の攻撃の芽を潰すスペシャリストであり、彼が不在の試合では大小あれど攻守のバランスが確実に乱れることなり、大一番では絶対に欠かすことのできない存在だ。
球際に強く、中盤での汗かき役を務めることが多い。
カゼミーロのタックルは世界一だ。
相手に腰を当てるタイミング、体の強さを生かして相手を吹き飛ばす。
カゼミーロのタックルはパワーまかせといった代物ではない。
相手の細かな動作を見抜き、予測して相手を自らの狩場に誘導する。
またペナルティエリアの中でも足を出すことを恐れない。
一瞬PKかと思ってしまうも、カゼミーロはしっかりと正当なチャレンジをしており、何度エリア内でメッシを止めたことか。
またカゼミーロの守備で特徴的なのが積極的に足を出す点だ。
カゼミーロは意外にも足が長く、タックルもその分非常に深くなる。
相手が取れないと思っているところに、長い足をねじ込んで取り切ってしまう。
シュートブロックも一級品。
ギリギリまで体をはり続け、最後の最後までシュートコースを狭めるために足を伸ばす。
その優れた観察眼をいかしたシュートブロックで何度もマドリーは救ってきた。
また危機察知能力が高いです。
いわゆる「読み」です。
相手チームのパスの受け手を予測し即座に寄せて、相手がボールを受けた瞬間に潰すのが上手いです。
この能力は、特に相手のカウンター攻撃を阻止する際によく見ることができます。
相手にボールを奪われて速攻に持ち込まれそうになっても、カゼミーロが元を断ってくれます。
また、相手のボールホルダーに寄せた時のスライディングも安定していて確実に止めてくれます。
もちろん、大きな身体を生かしたショルダータックルも見事。
ボール奪取できない場合もカードを貰わない程度に戦術的ファウルで止めるのが上手です。
飛び出したセンターバックへのカバーも迅速かつ的確で、守備戦術への理解度が非常に高いのがうかがえます。
必ずピッチに置いておきたい守備職人なので、カゼミーロが負傷離脱で欠場すると勝率が下がるというデータもあります。
また彼の打点の高いヘディングはセットプレーで大きな武器になる。
類い稀なるバネを生かした打点の高さは他の選手より頭ひとつ抜けていて、しっかりとボールを叩きつけるのでゴールキーパーも取りづらい。
また得点が欲しい時は、アンカーの選手ながらボックス奥の大外に走り込んで強烈なヘディングを相手に見舞うことも。
オープンプレー、セットプレー両面でカゼミーロの高さは武器となっている。
カゼミーロの代名詞といえばゴラッソだろう。
しかもなぜか重要な試合で得点することができる。
チャンピオンズリーグのナポリ戦でのスーパーボレー、CL決勝のユベントス戦でのラッキーミドルシュート、アトレティコ・マドリード戦でのオーバーヘッドキックと得点パターンも様々。
多くの試合では望みの薄いミドルシュートを放ち、マドリディスタを苛立たせるが、ここ一番での勝負強さは異常だ。
こぼれ球の反応もよく、時折ストライカーのような素振りを見せる。
カゼミーロの凄さは形容し難い。
それほどまでに彼はマドリーに貢献している。
カウンターも一人で止めてしまうことも度々あるし、事前にカウンターの芽を摘む時もある。
カゼミーロを一人中盤に置いておけばカウンターの失点は激減する。
ディフェンス面でのデータも凄まじい。
1試合あたりのインターセプト数は1.9回と圧倒的な数字を残している。
毎シーズンもおそらくラ・リーガのタックル王はカゼミーロであろう。
それに加えて、前述した得点力の高さもマドリディスタから評価が高い理由だ。
またイエローカードが非常に多い選手だが、相手の攻撃を止めてしまうのさすが。
潰し屋でファウルも多いが退場したのはわずか1回。
エル・クラシコで2枚目のイエローカードをハンドで貰った時くらいだ。
なぜか2枚目のイエローカードをもらうことのないカゼミーロの審判との駆け引きも要注目だろう。
ちなみにイエローカードをもらいそうな時は、大体クロースかモドリッチが止めに来る。
カゼミーロは中盤の選手ですから、最終ラインと前線をつなぐためのパスさばきも重要な評価ポイントです。
パス能力に関しては際立って個性を放つわけではないと思います。
ただミスが多いわけではなく、そつなくこなしているのではないでしょうか。
長短のパス安定性はなかなか評価されています。
ロングボールでフォワードの決定機を演出したりするプレーはあまり見ないかもしれません。
カゼミーロの不安視されている点はプレス耐性の低さだ。
カゼミーロはそのプレス耐性のなさからビルドアップ時には一列高いポジションを取ることが多く、トニルカコンビに攻撃の組み立ては任せている。
不用意なパスもたまにしてしまうので、この2つの点が改善が見込まれる。
特に謎のヒールパスを試合中多発する時あり、時折危険を招くのでここも改善してほしいものだ。
しかし、この点を差し置いてもカゼミーロは偉大すぎる。
マドリディスタでカゼミーロを軽視している人はいないだろう。