概要
国籍 | ![]() ![]() ![]() |
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生年月日 | 1987年4月9日(35歳) | ||
出身地 | トゥールーズ | ||
身長 | 175cm | ||
体重 | 75kg |
Blaise Matuidi
ポジションはミッドフィールダー(センターハーフ)。
利き足は左。
2018年ロシアワールドカップ優勝の立役者となったフランス代表のミッドフィールダー。
パリ・サンジェルマンやユヴェントスなどで活躍し数々のタイトルを手にした。
無尽蔵のスタミナと優れた戦術眼を擁し、縁の下の力持ちとしてチームに貢献する名手。
獲得タイトル
クラブ
- パリ・サンジェルマンFC
- リーグ・アン:4回(2012-13, 2013-14, 2014-15, 2015-16)
- クープ・ドゥ・ラ・リーグ:4回(2013-14, 2014-15, 2015-16, 2016-17)
- クープ・ドゥ・フランス:3回(2014-15, 2015-16, 2016-17)
- トロフェ・デ・シャンピオン:5回(2013, 2014, 2015, 2016, 2017)
- ユヴェントスFC
- セリエA:3回(2017-18, 2018-19, 2019-20)
- コッパ・イタリア:1回(2017-18)
- スーペルコッパ・イタリアーナ:1回 (2018)
代表
フランス代表
- FIFAワールドカップ(2018年)
個人
- リーグ・アン年間最優秀チーム: 2012–13, 2015–16
- フランス年間最優秀選手賞: 2015
- Globe Soccer Awards 選手キャリア賞: 2018
経歴
クラブ
クレールフォンテーヌの卒業生でトロワACでリーグ・アンデビュー。
2005年7月30日ニースとのアウェー戦で1部デビュー。
イエロー10枚と若さが出ますが、リール戦で決勝点を挙げます。
2年目もセダン戦で2点を挙げるも降格しました。
2007年夏サンテティエンヌへ移り、ゴミスやパイエと共にリーグ5位になります。
この結果で出場したヨーロッパリーグは9試合に出ますが、R16でブレーメンに敗れました。
国内リーグでは優勝するボルドーから先制するも追い付かれました。
2008-09シーズン前にはアーセナルFC等の獲得候補に挙がるほど、その活躍が認められるようになった。
2009-10シーズンにはアラン・ペラン監督の下、ロイク・ペランの負傷の一時期、ゲームキャプテンを務めた。
主将として残留争いを乗り越え、4年目は2アシストしてチームをいずれも敗北から救い、10位と持ち直しました。
2011年7月27日、大量補強を試みるパリ・サンジェルマンFCに移籍。
中盤のダイナモとして活躍し、ヴェッラッティやモッタと共に引退したマケレレの穴を埋めます。
2年目にはイブラとチアゴ・シウヴァの加入で前後が強化され、リーグ戦では2年連続で自己最多の5得点を挙げます。
また、5年目はアンジェ戦で3アシスト、マルセイユとのカップ戦決勝で先制点を挙げるなど、2年連続で国内3冠に輝きました。
チャンピオンズ・リーグでは2年目と4年目にバルサ、3年目にレヴァークーゼン相手に結果を残し、リーグ杯では6年目のモナコ戦で1得点1アシストを見せました。
2017/18シーズンにユヴェントスに移籍し3年契約した。
なお、マテュイディにとって初の国外のリーグでのプレーとなる。
背番号はパリ・サンジェルマン時代と同じ14番で、フェルナンド・ジョレンテや同郷の先輩であるディディエ・デシャンが着用していた番号である。
8月19日カリアリ戦でセリエAデビュー。
ベネヴェント戦ではイグアインをアシストし、全3得点で勝利して国内2冠を達成。
9試合に出たチャンピオンズ・リーグでも準々決勝2ndレグで同点弾を挙げてレアル・マドリーを苦しめました。
2年目も3得点で勝利に貢献し、エンポリ戦でもクリスティアーノ・ロナウドの決勝点を演出してスクデットを防衛。
チャンピオンズ・リーグも9試合に出場しました。
2020年8月12日、ユヴェントスを退団し、翌13日にメジャーリーグサッカーのインテル・マイアミCF加入が発表された。
代表
18歳でU-19フランス代表に初招集されると、19歳で飛び級でU-21フランス代表の一員になりチームの軸としてプレーした。
U-21欧州選手権予選にも3大会連続で臨みましたが、いずれも本大会出場はなりませんでした。
2010年8月10日、ローラン・ブラン監督の下で親善試合ノルウェー代表戦でA代表に初招集を受け、同年9月7日に行われたボスニア・ヘルツェゴビナ代表戦で初キャップを記録した。
2012年欧州選手権本大会にもエントリーされますが、ケガにより出番はありませんでした。
2014年3月5日のオランダとの親善試合で代表初得点を挙げた。
2014年W杯予選で主力に定着して9試合に出場。
本大会は5試合戦いスイス戦で追加点を挙げました。
2年後の欧州選手権は7試合に出場、準々決勝アイルランド戦ではジルーの先制点を演出しますが、決勝でポルトガルに敗れて地元での優勝はなりませんでした。
2016年、UEFA EURO 2016の代表メンバーに選出され、準々決勝のアイスランド代表戦ではオリヴィエ・ジルーの得点をアシストした。
2018 FIFAワールドカップでは、初戦はベンチスタート。
第2戦から「4-2-3-1」の左サイドで先発出場するなどフランスの優勝を支えた。
エピソード
少年時代のアイドルはオコチャ
若き日のブレーズ・マテュイディはフットボール以外にたいして楽しみもないパリ郊外のフォントネー=スー=ボワで、PSGのスターたちに夢中になりながら子供時代を過ごしていた。
マテュイディは語る。
「子供の頃、僕のお気に入りはジェイジェイ・オコチャだった。彼はその素晴らしいボール捌きでチームやファンをぐんぐん押していく、そんなプレーヤーだったよ」。
マテュイディにとって、元ナイジェリアのスーパースターのオコチャが1998年から2002年までプレーしていたPSGで、「いつの日か自分もプレーするのが夢だった」という。
ゴールパフォーマンス
フランス全土で最も成功を収めたラッパーの一人に数えられるパリ生まれのニスカは、『ネットフリックス』が制作したドキュメンタリー『ストリートフットボール』の中で、「マテュイディは俺たちの物の見方や感じ方を代表してるのさ」と語る。
両腕を大きく広げる、マテュイディのよく知られたゴールパフォーマンスは、ニスカと彼のラップバンドからインスピレーションを得たものだ。
ニスカは『フリースタイルPSG』という曲のMVでマテュイディを称えている。
「マテュイディ・シャロ」という叫び声の入るこのMVのユーチューブでの視聴回数は、これまでに8000万回を超えている。
ニスカが身につける服のマークにもなっている「シャロ」という言葉――マテュイディもこのマークの入ったTシャツを着るのが好きだ――、これはニスカがマテュイディのどこに価値を見出しているかを表している。
「シャロ」は「シャロニャー」の短縮形で、スカベンジャー(ハゲタカなどの腐肉食動物=不要物である死骸を栄養として摂り入れ、生態系に貢献する)を意味するフランス語だ。
「この表現は俺の友人たちや俺がラップを始めた時の立場を表している。俺たちが音楽で表現したいと思っている “無から出発して無限を目指す”という姿勢なんだ。で、実際マテュイディがまさにそれを代表してるってことなんだよ。あいつはピッチの上で決してへこたれないし、スタートの時にはほんのわずかな物しか持ってなかったんだからね」と、ニュースサイト『ヴァンミヌート』にニスカは語っている。
つまり両腕を大きく開いたマテュイディの有名なパフォーマンスは、翼を広げたハゲタカのイメージに触発されたものなのだ。

パリで、とりわけその郊外では、マテュイディは英雄でありアイドルである。
以前ならPSGで、今ならユヴェントスやフランス代表チームで、マテュイディがプレーするのを見るためなら、眠ってなんかいられないという子供たちがきっと大勢いることだろう。
そう、オコチャの活躍に胸を躍らせていた当時のマテュイディ自身と同じように。
プレースタイル
ボックス・トゥ・ボックス型のミッドフィールダー。
無尽蔵のスタミナと優れた戦術眼を擁し、絶妙な位置取りやタックルで広範囲をケアします。
メンタルの強さや左足のインサイドキックも特長のボックス・トゥ・ボックス型です。
サイズのわりに締まった良い体格をしており接触プレーに強い選手です。
このフィジカルを生かした守備能力が彼の持ち味です。
特にショルダーチャージに迫力があり、重心が低いためか当たり負けすることがとても少ない印象。
いわゆる汗かき役系のミッドフィルダーと言えるでしょう。
なおかつ、ピッチのあらゆる所に出没するマテュイディは攻守の切り替えが早いので、パワフルなプレスを仕掛けてボールの即時奪回を試みてくれます。
働き者の選手だということに加え、中盤の真ん中だけでなく左サイドハーフにも入ることができるので、ぜひとも中盤のどこかで起用したいプレーヤーです。
守備的なタスクにおける活躍が目立つマテュイディですが、攻撃に関しても見逃せないポイントを持っています。
攻撃時にもよく動きます。
彼は自分で配球するだけでなく、自ら動く役回りも頻繁に見せてくれます。
オフザボールの動きで深い位置に進入するのも魅力のひとつ。
敵陣に引いた相手を崩すには、こういった中盤からの飛び出しがキーになることも少なくありません。
守備側からすると、どこかしらでマークがずれがちです。
攻撃時でも相手陣内の深い位置まで入り込むのは、スタミナ的に負担がかかります。
マテュイディには試合を通して上下動を行う豊富な運動量があるんです。
マテュイディは攻撃時、自分で動きをつけてボールを受けることが多めです。
配球力に優れた味方選手がいると相性が良いでしょう。
彼自身のパス能力に関してショートパスが安定している一方、際どい位置に差し込む縦パスや守備側の背後へ出すスルーパスはあまり目立たないかもしれません。
まあ、その部分に関してはマテュイディ自陣が受け手になることで解決するので、そこまで気にする部分ではないかと。
必要な能力を十分に備えた優秀な選手であることは間違いありません。